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ママ・パパに朗報?液体ミルクを日本でも

粉ミルクのようにお湯に溶かす手間がかからない「液体ミルク」。
これまで国内では製造・販売はされていませんでしたが、厚生労働省が初めての衛生基準の案をまとめ、普及に向けて一歩を踏み出しました。
忙しい子育て中のママやパパたちに朗報となるのでしょうか?

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そもそも、液体ミルクって?牛乳とは違うのかな。

牛乳の成分から作られてはいるけど、赤ちゃん向けにビタミンやタンパク質などの栄養成分を調整して、母乳に近づけている。赤ちゃんに飲ませる時に、お湯で溶かす必要がある粉ミルクに対して、はじめから液体で封を開ければすぐに飲ませることができる。

しかも、常温で保存できるから手間いらずで、子育て中のママ・パパの負担も減ると言われている。欧米では広く流通しているけど、国内では日本のメーカーが製造・販売していないこともあって、ほとんど見かけないね。

どうして、国内では作られてこなかったのかな?

製造・販売が禁止されているわけではないんだけど、安全性や衛生面の基準が存在しなかったため、メーカーの商品開発が進んでいなかったんだよ。7年前の東日本大震災や2年前の熊本地震の時に、海外から支援物資として液体ミルクが被災地に届けられたことをきっかけに、その便利さが広く知られるようになったんだって。

今も海外から液体ミルクを輸入して使っているママたちもいるけれど、時間がかかるし数にも限りがある。これまでに、国内での商品化を求める4万人以上の署名が集まったそうよ。

そうした声の後押しがあって、厚生労働省も動き始めたというわけ。今回、初めてとなる衛生基準の案を示し、早ければことしの夏ごろにも関係する省令を改正する見通し。これを受けて、国内の乳業メーカーも本格的に研究開発を進めていくことになるわ。

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じゃあ、もうすぐ子育て中のママやパパが液体ミルクを使えるようになりそうだね?

それが、実際に国産の液体ミルクが出回るようになるには、すこし時間がかかりそう。業界団体では、実際の商品化までに2年程度かかりそうだとしている。

赤ちゃんの成長に必要な栄養成分は、液体だと、時間の経過とともに酸化したり光の影響を受けたりして、失われやすいんだって。商品化に向けては、まずは栄養成分を維持しつつ長期保存するための技術開発をしなければならない。

また、液体ミルク向けに新しい生産ラインが必要になるので設備投資もしなればならない。その分、液体ミルクは粉ミルクと比べて3割ほど高くなると見込まれている。だからメーカーの中には、少子化が進むこともあり、本当に採算がとれるのか検証したいというところもあるそうよ。

大変そうだけど、たくさんのママ・パパが求めているだけに、なんとか商品化につなげてほしいですね。

ニッセイ基礎研究所の天野馨南子研究員は「災害リスクの高い日本こそ、赤ちゃんの命を守るために、液体ミルクを導入すべきだ。海外からの支援に頼るべきではない」と話していて、清潔な水が使えない災害時の備えとしても活用が期待されている。

多くのママ・パパの声があってここまで来ただけに、安全性を確保しつつ、できるだけ使いやすい価格で商品化されるよう、国やメーカーも知恵を絞ってほしいわね。