投資のリスクとは 金融商品めぐるトラブルも

日本ではこのところ株価の上昇が続いています。個人の間でも「貯蓄から投資へ」とさかんに言われていますよね。一方で、投資によるリスクを改めて考えさせられる事案も最近ありました。何が明らかになったのでしょうか。経済担当の小坂隆治解説委員、教えて!

明らかになったのはどんな事案だったの?
最近、こんなことがありました。
千葉銀行と子会社の証券会社などに対して行政処分を行うよう、証券取引等監視委員会が金融庁に勧告したんです。

その理由は「リスクを十分に説明せずに顧客に金融商品を販売した」というものでした。
この販売した金融商品というのが「仕組み債」と呼ばれる商品です。
とても複雑な金融商品で、高い利回りをうたう一方で損失リスクも大きいのが特徴です。
つまり、投資の初心者には向いていないものだったんです。


リスクが高いなら初心者はふつう買わないよね。
そうですよね。
ところが、こんなことが起きていました。

仕組み債を購入したのは8424人。
このうち3割を占める2424人は、本当は「リスクの低い投資を望んでいた」顧客だったんです。
さらに34人は投資の経験が全くないなど、初心者の顧客だったことがわかりました。


販売する側がきちんと「ふさわしい顧客」に勧めるものではないの?
当然、法律でそう定められています。

その顧客がどの程度のリスクの金融商品を望んでいるかをきちんと踏まえて、売らなければならないルールがあります。
投資家の保護が目的です。
ところが実際は、親会社の銀行員がそれを守らずに、証券会社の担当者に自分の顧客を紹介し、証券会社の担当者は、リスクを十分に説明しないまま、販売し続けたんです。


まさか、説明をきちんとしないなんてこと、あるの?買う側も説明をしてもらおうとするのでは?
例えば、こうしたケースがあったんです。

顔見知りの銀行員から「預金は金利が低いので少しでも役に立ちたい。使う予定のないお金を安全に運用し、小遣いが稼げる」という説明を受けて、買ったものの損失が出てしまいました。


顔見知りの銀行員だったら、信じてしまうかも。
信じてしまう気持ちもわかりますよね。
ただ、買う側も商品が持つリスクに注意が必要です。
仕組み債のように高い利回りをうたう金融商品は、経済情勢の変化などで、損失が出るリスクがあるという説明をきちんと受けることが大切です。
そもそも個人の投資では、老後の生活資金など減ってしまうと困るお金を投資に回す場合は、リスクも含めて慎重に検討することが大切だと思います。

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