海外旅行 需要喚起の意外な理由も

「今こそ海外!」
観光庁はこう呼びかけて、海外旅行の需要回復の取り組みを進めています。でもそもそもなぜ、こうした呼びかけを行っているのでしょうか?その背景には、意外な理由もあるようです。取材した香本響太記者、教えて!

海外旅行の需要回復は遅れているんですか?
そうなんです。日本政府観光局のまとめでは、3月に海外に出国した日本人は、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べて36%にとどまっています。
日本を訪れた外国人旅行者は65%まで回復しているので、回復のスピードが遅れているのは明らかです。



とはいえ、円安傾向が続いていて、海外で買い物をするのはちょっと割高だし、今すぐ海外に行こうって気持ちにはならない人も多そうです。
そうですよね。このため観光庁では、海外旅行の割高感を少しでも払拭しようと、新たにパスポートの取得や有効期限の更新を行った3210人を対象に、1人当たり8000円分の電子ギフト券を提供する事業を行います。
費用は、各国の政府観光局などが負担します。


でも出国する人が増えなくても問題ないような気がするのですが…
そうですよね。でも出国者が増加しないと、思わぬ問題が生じかねないともいうんです。

それが、“航空路線の維持”です。
日本と各国を結ぶ航空路線はコロナ禍で利用者が大幅に減少しました。まだ再開していない路線もありますが、航空路線の維持や再開に向けては、訪日客が増えるだけでなく、出国する人も増えて双方向の行き来がないと、収益が安定しないということなんです。
航空ネットワークは島国の日本にとっては重要なので、こうした観点もあって、国として呼びかけることを決めたということです。


海外旅行に行く人は今後、増えそうですか。
少しずつ増える兆しが出てきていますよ。東京都によりますとパスポートの申請件数は都内でも減少していましたが、4月の申請件数は速報値で5万5000件余りと、コロナ禍前の水準近くまで回復しています。



海外旅行、考えてみるかなあ。あ、でもパスポートが…
パスポートが失効している人も増えているので注意が必要です。外務省によると、2019年12月末時点で有効期限が切れていないパスポートの数は3027万枚でしたが、2022年12月末時点では2175万枚と、実に28%も減少しています。
コロナ禍で海外に行く機会がなかったため、パスポートの有効期限が切れてしまい、再び申請をする人も多いということです。
また、国によっては、有効期限が6か月以上先までないと、入国できないということもあるそうです。旅行先の情報を事前に調べ、早め早めに準備を済ませておくことが大事かもしれませんね。

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