NEW2023年04月11日

なぜ?ドラッグストア最大手がたばこ販売やめるって

ドラッグストア業界最大手のウエルシアホールディングスが、たばこの販売を3年後までにすべて終了することを決めました。いったいなぜ?そもそも、タバコの販売っていまどうなってるの?流通担当の井村丈思キャップ、教えて!

ドラッグストア業界最大手がたばこの販売を終了するって、具体的にはどうなるのでしょうか?


ウエルシアホールディングスは、ドラッグストアを全国に2700店舗余り展開しています。このうち7割余りの約2000店で、たばこを販売していますが、今後段階的に取りやめ、3年後の2026年2月には全店で販売を終了するとしています。

井村キャップ
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 どうして、たばこの販売をやめるのですか?

10日に行われた経営方針の説明会で会社の経営トップが強調したのが、「健康に対する企業の姿勢」でした。


池野隆光会長は「社員に対しても『たばこを吸うのをやめろ』と言っている訳で、『お客には売っていこう』というのは、筋が通らないだろう」と話していました。

井村キャップ
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販売をやめたら、その分、売り上げは減りますよね。

この会社では、たばこの販売はことし2月までの1年間で約200億円にのぼるということですが、健康関連の自社ブランドの販売を拡充したり、海外事業を強化したりすることで、3年後は今より増収増益となる計画だとしています。

井村キャップ
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こうした動きは、広がるのでしょうか?

まだ、追随する動きが広がってきたとまでは言えません。というのも、たばこには一定の需要があり、小売業界の間では、常連客を獲得できる商品でもあるからです。

井村キャップ
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常連客を獲得できるとはどういうことですか?

例えばコンビニでは、たばこは主力商品なんです。ある大手チェーンでは、1年間に店頭で販売された商品のうち、たばこの割合は、売り上げ全体の3割近くを占めているということです。

たばこを求める客は、同時に食べ物や飲み物も買っていく傾向もあり、「ついで買い」に期待する店も少なくありません。食品や飲料など幅広い品ぞろえと割安感を押し出すドラッグストア業界も例外ではありません。

井村キャップ
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そもそも今、たばこの販売状況はどうなっているのですか?

業界団体の日本たばこ協会によると、紙巻きや加熱式などを含めた、国内でのたばこの販売金額は、2021年度で3兆9565億円にのぼります。

また、大手たばこメーカーJTによりますと、自社で取り扱っているたばこの国内販売金額を業態別で見た場合、下の表のようになっています。

コンビニが全体の4分の3を占めていますが、ドラッグストアも2~3%程度あるようです。

井村キャップ
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でも、たばこを吸う人は、全体的に減ってきていると聞きますが?

そうです。厚生労働省によりますと、たばこを習慣的に吸っている人の割合は、2000年と2019年を比較すると、男性が47.4%から27.1%へ、女性が11.5%から7.6%へと、いずれも大きく低下しています。この傾向をどう見るかは、各社によって判断が分かれるかもしれません。

ただ今回のドラッグストア最大手の決定が、小売業界全体に一石を投じたとは言えそうです。

井村キャップ
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