NEW2023年02月13日

ゲームセンタートレンドは?

ゲームセンター業界の展示会が3年ぶりに開かれました。コロナ禍では休業を余儀なくされるなど、大きな影響を受けたこの業界。最近のトレンドはどうなっているの?取材した経済部の早川沙希記者、教えて!

コロナ禍で、ゲームセンターも営業をとりやめたり閉店したりしていましたよね。

コロナの影響は大きかったのでしょうか。

そうですね。

主催した業界団体の幹部も苦しかったと話していました。

最新のデータは2020年度のものですが、ゲームセンターの市場規模は5259億円と、コロナの感染拡大前より25%余り減少しました。

早川記者
早川記者

現在の状況はどうですか?

客足はいま、だいぶ回復してきていると話していました。

運営面でも大きく変わってきたようです。

感染拡大防止で、小銭に触れることに抵抗がある人も多く、キャッシュレス決済も広がりました。

早川記者
早川記者

そうした中で、開かれた展示会だったんですね。

         

それもあって、各社から聞こえてきたのが、「リアルを重視」という言葉です。

コロナの影響でこの3年間、家庭用ゲーム機をはじめオンラインでのコミュニケーションが広がりました。

こうしたこともあり、プリントシール機や、複数人で遊べるゲーム機、日本にはまだ上陸していないVR技術を使ったゲームなど、ゲームセンターだからこそ楽しめるゲーム機に各社、力を入れていました。

なかでも注目を集めていたのが、クレーンゲームです。

       

早川記者
早川記者

クレーンゲームですか?

はい。

業界団体の日本アミューズメント産業協会によると、クレーンゲームはゲームセンターの売り上げの6割近くを占め、稼ぎ頭とも言える存在なんです。

早川記者
早川記者

どのように力を入れているんですか?

取り組みの1つが、好きなアーティストやキャラクターを応援する、いわゆる「推し活」との連携です。

客にとって魅力的な景品をいかに提供するかに、各社力を入れています。

こうした取り組みで、客層も変化していて、去年、大手ゲーム会社「セガ」が行った調査では、直近1年間のゲームセンターの男女別の利用率は、ほぼ同じとなっています。

中でも、若い女性が増えているそうです。

一方で、中身の景品も変わってきているそうです。

早川記者
早川記者

そうなんですか?

クレーンゲームの景品は、射幸心をあおらない範囲で認められているのですが、去年、警察庁の通達で、基準が800円以下からおおむね1000円以下に変更されました。

引き上げは25年ぶりで、景品を作る中国や東南アジアでの人件費や、材料価格の高騰で、コストが増えていたため、業界団体が上限額の引き上げを要望していたんです。

メーカーの担当者に聞くと、中身のぬいぐるみを大きくしたり、フィギュアの作りを精巧にしたりできるようになったといいます。

早川記者
早川記者

ゲームセンター業界、回復傾向は続くのでしょうか。

客足は回復傾向にあるということですが、電気代の高騰などが関係者の頭を悩ませていて、中には、値上げするゲームセンターも出ています。

こうした現状を踏まえて、あるメーカーは、省エネ機能を搭載した最新のクレーンゲームも紹介していました。

去年11月に導入されたこの機種は、客が利用するときだけ、照明が自動でつくようになっていて、従来の機種より消費電力を10%削減できるとのことです。

コロナ禍を経て、3年ぶりの開催となった展示会でしたが、主催した業界団体の岩屋口治夫実行委員長は「皆で楽しく遊んだり、体を動かしたりできるのはゲームセンターならでは。新たに需要が高まることを期待したい」と話していました。

早川記者
早川記者