マグネットボールが販売規制 どうして?

楽しみながら学べる“知育玩具”として人気がある「マグネットボール」。誤って飲み込むおそれがあるとして、ボールの直径がおよそ3センチ未満で、磁力の強いものについて製造や販売などが規制されることになりました。具体的にどのような危険があるのでしょうか。経済産業省担当の小野志周記者、教えて!

そもそも「マグネットボール」って何?

直径3ミリから5ミリほどの磁石のボールが数百個で1セットになったおもちゃです。
「ネオジム磁石」という強力な磁石が使われています。
磁石を使って立体的に動物や車、ロボットなど思い思いの形を作ることができるため、“知育玩具”として親しまれています。


なぜ販売が規制されることになったの?

小さい子どもが誤って飲み込んでしまう事故が相次いでいるからです。
消費者庁によりますと、2017年以降、こうした事故が11件確認されているということです。
中には飲み込んだボールが、小腸などの壁をはさんで体内でくっついて、穴が開いたケースもあるということです。
海外では、子どもが亡くなる事例も起きていて、すでにアメリカやヨーロッパ、中国などで製造や販売が規制されています。
ネオジム磁石を飲み込んだ幼児の治療経験がある済生会横浜市南部病院の田中文子医師に話を聞きました。

「1歳4か月の子どもが、7ミリほどの『ネオジム磁石』を飲み込んだ症例を診ました。5つの磁石が体内でくっつき合い、小腸など6か所に穴が開いていました。早めに原因がわかったので対処できましたが、放置されていたら腹膜炎になり、最悪の場合、亡くなるおそれもありました」


日本での規制はどのように行われるの?
製品の安全を所管する経済産業省は、法律に基づいて「マグネットボール」を「特定製品」に指定します。
「特定製品」に指定されると一定の基準が設けられ、それに該当するものは製造や販売などができなくなるのです。
今回、対象となるのは以下の2つに該当するものです。
▽子どもが誤って飲み込むおそれのある直径およそ3センチ未満のもの
▽飲み込んでしまうと体内でくっつくおそれのある磁力の強いものです。
経済産業省は、この規制をことし5月にも実施することにしています。


ちなみに「特定製品」には、ほかにどんなものが指定されているの?
これまでに10製品が指定されています。
例えばライターも含まれていて、いわゆる「チャイルドロック」がないものは規制対象となります。

今回は「マグネットボール」とあわせて、水に浸すと膨らむ合成樹脂製のボールのおもちゃも製造や販売などが規制されることになりました。
誤って飲み込むと消化器官内で膨張し、腸閉塞などになるおそれがあるからです。
具体的には、水に浸したときに元の大きさと比べて50%を超えて大きくなるものが対象となります。



販売は規制されるけど、自宅にこれらのものがある人は何に気をつけたらいいかな?

先ほどの田中医師は次のように指摘しています。
「とても基本的なことですが、こういった強力な磁石は“子どもの手が届く場所には置かない”というのが非常に重要です。また磁石に限らず、親指と人さし指で輪っかを作ったときにできる大きさのものは、飲み込むと危険な大きさです。小さな子どもの近くにはそういったものも置かないよう保護者には気をつけてほしいです」
私にも1歳になったばかりの娘がいますが、この年ごろの子どもは何でもとりあえず口に入れるため、絶えず目が離せません。
大人がなるべく危険なものを身近に置かないよう、改めて自宅を点検する必要があると感じました。

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