NEW2023年02月01日

「値上げラッシュ」なぜ2月に集中したのか

今月値上げされる食品や飲料は去年10月に次ぐ多さとなり、「値上げラッシュ」となります。なぜ2月に集中したのか、また、今後の見通しについて、帝国データバンク情報統括部の上西伴浩部長に聞きました。

ことし2月に値上げが集中した理由は何でしょうか。

いくつか要因がある。

原材料価格が高止まりになっている状態で、各社がコスト上昇分を転嫁しきれていない。

それに加えて人件費や物流コストなども上がっていて、価格転嫁せざるをえないというのが実情だ。

その上で、時期については、12月はかき入れ時で消費者に買ってもらいたいという思いがあるのと、4月は新生活が始まるときに一気に値上げすると買い控えにつながる可能性があるので、2月のうちに値上げしておきたいという思いがあるのではないか。

上西部長
上西部長

ことし値上げする商品はすでに1万2000品目を超えています。今後の見通しは?

電気代も大幅に上がっていて企業がその分も価格に転嫁すると、春先までは値上げの品目が増える可能性は多分にある。

5月、6月以降も企業の値上げの発表は続く可能性があり、これで止まるとは全く考えていない。

上西部長
上西部長

家計への負担は増しそうですね。

家計の負担がどうなるのかは今後、企業の間で賃上げの動きが広がるのかどうかで大きく分かれる。

値上げをすることで、企業が収益確保し、賃上げをするというサイクルにもっていかないといけない。

その意味でも、ことしの春闘は相当重要になってくる。

また、私たちの意識も、物の値段が上がっていくのは常態であるという意識改革が必要な局面に来ているのではないかと思う。

上西部長
上西部長