外国人観光客が15倍以上に急回復 この先どうなる?

新型コロナの影響で大きく減少した外国人観光客。去年は水際対策の緩和もあって、383万人余りと、前の年の15倍以上に急回復しました。
このままの勢いで回復していくのか?この先、どうなる?国土交通省を担当する経済部の三好朋花記者、教えて!

「外国人旅行者が回復」っていうけど、コロナ禍に比べてどこまで戻った?
日本政府観光局の発表によると、去年・2022年の訪日外国人旅行者は推計で383万1900人。
前の年と比べて15倍以上と急回復しました。
増加の背景には水際対策が段階的に緩和され、去年10月には入国者数の制限もなくなったことがあります。
ただ、新型コロナの感染拡大前の2019年と比べると、まだ1割程度にとどまっています。


街なかで外国人を見かける機会も増えてきました。
どこが増えてるの?

最も多いのは韓国から旅行者です。101万2000人余りと全体の3割近くを占めました。
韓国側も、日本からのビザなしでの渡航を再開し、日本と韓国を結ぶ航空便も増えています。
全日空が去年11月、それまでの2倍の週14往復に増便。日本航空は今月から週21往復に増便しています。
2番目は台湾で33万1000人余り。根強い訪日旅行人気があるといいます。
3番目のアメリカは32万3000人余り。円安で日本での滞在や買い物が割安になったことも追い風になって、増加傾向です。


ことしも順調に増えてくるって期待できるのかな?
ことしは去年以上の伸びが期待できそうです。
民間のシンクタンク、日本総合研究所が世界の航空需要の予測などを元に試算したところでは、ことしの訪日外国人旅行者は2000万人を超える水準まで回復すると見込んでいます。

さらに、円安で外国人旅行者1人あたりの消費額が増えることなども踏まえるとことしの日本におけるインバウンド消費額は3兆1000億円に達し、名目GDPを0.4%程度押し上げる経済効果が期待できるということです。


これから日本を訪れる外国人観光客の数は急回復しそうだね。
でも、懸念もあるんです。
その1つが、国際線の旅客便数です。
去年11月に国土交通省が発表した冬ダイヤでは、日本の空港を離着陸する国際線は旅客便だけで週1920往復。
感染拡大前の2019年と比べて4割以下の水準にとどまっています。

さらに、航空燃料の高騰を背景に燃油サーチャージが高止まりしていることも、ヨーロッパなどの遠方からの旅行需要に影響する可能性もあります。


感染拡大前は中国からの旅行者がたくさんいたよね?「爆買い」なんていう言葉もあったくらいだけど?
中国からの旅行者は2019年には950万人を超えていて、訪日外国人旅行者の3割を占めていました。
ただ、去年はおよそ18万人にとどまりました。
中国では今月「ゼロコロナ政策」が終了し、訪日旅行客増加への期待が高まりました。

しかし、中国政府は中国国内の旅行会社に対して海外への団体旅行の受け付けや旅行商品の販売を禁止したままでいまのところ、具体的な解禁時期は示されていません。
さらに、中国国内での感染拡大を受けて日本政府は中国からの入国者に対して水際対策を強化しています。
インバウンド需要がどうなるのかは中国からの旅行者の動向が鍵を握っていると言えます。

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