「値上げの秋」10月は8月の2.5倍に…

物価の上昇が止まりません。さらに10月には値上げされる食品や飲料品の品目が8月の2.5倍に増えるというデータが公表されました。記録的な「値上げの秋」になるという見方が出ています。櫻井亮記者教えて!

原材料価格の高騰や円安などの影響で「値上げの夏」なんて言われていましたが、「値上げの秋」ってどういうことですか?
8月1日に民間の信用調査会社が国内の主な食品メーカーや飲料メーカー105社を対象に行った調査結果を公表しました。
その結果をみると、10月に値上げを予定している商品が6305品目に上ることがわかりました。
8月に値上げするのは2431品目ですでにことし最多となっています。10月に予定されている値上げはその2.5倍を超えています。


この夏もいろいろなものが値上げされたと思いますが、なぜ、秋にさらに増えるのですか?
今までは、世界的な需要増加やロシアによるウクライナ侵攻の影響による小麦や油脂などの原材料価格の高騰や、原油価格の上昇による物流費や包装資材などの値上がりなどが主な要因でした。

これに加えて円安による輸入コストが今後、商品の価格に上乗せされてくるためなんです。


最近、「再値上げ」、「再々値上げ」という言葉も聞きます。
そうですね。1度値上げしたものの、同じ商品で2度目、3度目の値上げをしなければいけないと企業が「再値上げ」、「再々値上げ」を決めるケースも出ています。
値上げは売り上げの減少や顧客離れにつながる可能性があるとして値上げ幅をできるだけ抑えたり価格を据え置いたりする企業も少なくありませんでした。
しかし、コストの上昇分を吸収できずに値上げに踏み切るケースも増えているといいます。値上げのピークはこれからだと言えると思います。


具体的にどんなものが値上げされるのでしょうか?
信用調査会社の調査結果を詳しく紹介します。
ことしすでに値上げ・今後値上げが予定されている品目は各社の累計で1万8532品目に上っています。
品目別にみると下の図のとおり。

ハム・ソーセージ・冷凍食品などの「加工食品」が最も多くて7794品目・平均16%の値上げとなっています。
このほかにも「調味料」や「酒類・飲料」などでも値上げが目立っています。


食品などで相次ぐ値上げに飲食店はどう対応しているのでしょうか?
外食産業では価格を見直す動きが出ています。
都内や大阪などでチェーン展開する油そば店は、8月1日から人気メニューの油そばの並を690円から740円に値上げしました。

食材の無駄をなくしたり作業の効率化を図ったりするなどしてコストの削減を進めてきたけど、麺や豚肉の価格高騰で値上げに踏み切らざるをえなかったといいます。


これは秋の値上げの予定を早めて決めたということですか?
これはこれまでの食材の値上げを受けたものです。
運営する会社では仕入れ先からはすでに「秋にも食材はさらに値上げが予想される」と伝えられていて、頭を抱えているといいます。
担当者は「今後の状況をみながら改めて値上げを行うべきかどうか検討したい」と話しています。
夏から秋に向けて値上げの動きはさらに広がるとみられています。値上げの動きや家計や生活への影響について詳しく伝えていきたいと思います。

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