処方薬もコンビニで 受け取りサービス広がる
お医者さんが処方した薬を、コンビニで受け取れるサービスが広がっています。
いったいどうやって受け取ればいいの?なぜこのようなサービスが広がっているの?
佐野裕美江記者、教えて!
病院で処方された薬は、ふだん病院や自宅の近くの調剤薬局で受け取っていますが、最近ではコンビニエンスストアでも受け取れるんですね。
そうなんです。例えばファミリーマートでは、都内の薬局と連携し、ことし5月下旬から、都内のおよそ2400店舗で、処方薬を24時間受け取れるサービスを始めました。
どういう流れで受け取るの?
まず、医療機関を受診した際、診察や会計の時などに、処方薬宅配サービスを利用したいと伝えます。
▽処方箋の情報は、医療機関からコンビニが連携している薬局に送られ、その後、オンラインや電話で、薬剤師による服薬指導を受けます。
▽その上で、服薬指導を受ける前にあらかじめ、インターネット上で、受け取り先の店を指定しておくと、薬は最短で翌日には、希望した店に届きます。
病歴など、患者の個人情報が守られるのか心配もありますが…
配送時のプライバシー対策としては、受け取りの際、薬がコンビニに到着すると、受け取りに必要なバーコードが自分が登録したメールアドレスに送られてきます。
そして、コンビニの店員には「医薬品」ということ以外、わからないようになっています。
その上で、オンラインなどで服薬指導を受ける際に、周りに情報を知られないよう、自宅や個室などで受けることが重要です。
薬局に行く手間も、受け取りの際の待ち時間もなく、自分の都合のよい時間に受け取れれば、便利ですね。
こうした動きは、ほかのコンビニでも広がっています。
セブン-イレブン・ジャパンは、ことし2月から、川崎市内の一部の店舗に設置した宅配専用のロッカーで、24時間いつでも処方薬を受け取ることができるサービスの実証実験を始めています。
実験結果を踏まえて、さらなる展開を検討するということです。
処方薬って、薬局の窓口でしか受け取れないものだと思っていました。
なぜいま、こうした動きが広がっているの?
新型コロナの感染拡大が大きく関係しています。
薬剤師による服薬指導をオンラインで受けられる制度について、コロナ禍をきっかけに規制が緩和されました。
電話による服薬指導のほか、過去に対面で指導を受けたことがない場合でも、オンライン服薬指導を受けることができるようになったのです。
診療だけでなく、処方薬受け取りの過程でもオンライン化が進んでいるんですね。
こうした背景もあり、コンビニ側としては、感染対策として引き続き密を避けたい人や、仕事や子育てなどで薬局の営業時間内に受け取るのが難しい人などの間で、今後サービスの利用が増えると見込んでいます。
受け取り方法は、今後もどんどん便利になっていきそうですね。
そうですね。実はコンビニ以外でも参入が進んでいます。
ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスは、調剤薬局を併設する60ほどのドラッグストアの店舗に、処方薬を受け取るためのロッカーを設置しています。
服薬指導を受けた際に伝えられる、暗証番号をロッカーに入力して、薬を受け取れる仕組みです。
今後、深夜の時間帯に営業している店を中心に、専用ロッカーの設置店舗を来年2月までに、現在の4倍以上にあたるおよそ260店舗にまで増やす方針です。
処方薬の受け取り方の選択肢は、今後も増えそうですね。
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