どうなる?IE(インターネット エクスプローラー)

インターネット閲覧ソフトとして広く使われてきた「インターネット エクスプローラー」。青い「e」のマークになじみがある人も多いのではないでしょうか。1995年に登場し、インターネット黎明期を支える存在でしたが、6月16日でサポートが終了しました。何か対応することはある?情報通信を担当する岡谷宏基記者、教えて!

インターネットと言えば、この青い「e」のマークですね。
「インターネット エクスプローラー」は、ウィンドウズ95とともに、1995年に登場し、1990年代から2000年代にかけて、圧倒的なシェアを誇りました。

マイクロソフトによりますと、世界でも日本は韓国と並んで利用率が高いそうです。
しかし、登場から27年たち、マイクロソフトは6月16日でサポートを終了しました。


なぜサポートが終わってしまうのですか?
一言でいうと、ソフトの仕様が時代に合わなくなってきたということです。
インターネットの普及に伴って、2010年ごろ、国際団体によってウェブサイトの仕様などに関する標準規格を作る動きが広がりました。
一方、「インターネット エクスプローラー」の供給が始まったのは、標準規格ができる前。マイクロソフトの技術に特化した仕様で機能が追加されてきました。
このため標準規格に十分対応できなくなり、次第にシェアを落としていったんです。
その後、マイクロソフトは標準規格に対応した「マイクロソフト エッジ」の提供を2015年に始めました。

後継のソフトにバトンを渡し、利用者が少なくなった「インターネット エクスプローラー」は“勇退”することになったわけです。


なるほど、経緯はわかりました。
では「サポートが終わる」とは、どういうことなのでしょうか?
端的に言うと、今後「インターネット エクスプローラー」は使えなくなります。
まず6月16日以降、マイクロソフトは「インターネット エクスプローラー」に関する問い合わせやサポートに対応しなくなります。
仮にセキュリティー面で問題が生じても、それを修正するプログラムはマイクロソフトから提供されません。

そして、明確な時期は示されていませんが、数か月のうちに、自動的に更新プログラムが適用され「インターネット エクスプローラー」は無効化、つまりパソコンの画面上からアイコンが消え、利用できなくなるということです。


私のような一般ユーザーは、何をすればいいの?
インターネットに接続する際のブラウザーと呼ばれるソフトを、新しいものに切り替える必要があります。
マイクロソフトが提供する「エッジ」、グーグルが提供する「クローム」、アップルが提供する「サファリ」など、好きに選ぶことができます。
スマートフォンでも広く利用されている「クローム」や「サファリ」は近年、シェアを伸ばしています。

なお、ウィンドウズ10以降のパソコンには「エッジ」が標準搭載されているので、ソフトをインストールする必要はなく、そのまま利用できます。


今まで見ることができたウェブページが見られなくなるようなことはないの?
一般の人が使うサイトでは、ほとんど問題ないと見られます。
というのも一般的なウェブサイトの多くは、「インターネット エクスプローラー」以外のブラウザーにも対応しているからです。
ただ、一部の行政や企業のサービスなどでは「インターネット エクスプローラー」にしか対応していないウェブサイトもあるということで、この場合は対応が必要になります。


どういった対応なんですか?
後継の「マイクロソフト エッジ」には「インターネット エクスプローラーモード」という機能が搭載されています。
マイクロソフトでは、この機能を使って該当するサイトにアクセスしてほしいと呼びかけています。

その一方で、注意が必要なのが企業内のシステムです。
企業の会計や出退勤管理などのシステムの中には「インターネット エクスプローラー」の利用を前提に開発されたものも多く、改修などの対応が必要になるケースがあるということです。
こうした場合も「エッジ」の「インターネット エクスプローラーモード」などを使えば利用はできます。
この機能は7年後の2029年までは提供されますが、マイクロソフトでは早めの移行を呼びかけています。

マイクロソフトの担当者は「企業の方には、まだ7年ではなくて、もう7年しかないと考えてもらいたい。インターネット エクスプローラーでしか使えないということは、スマートフォンでも扱えないということだ。DX=デジタル変革に後れをとることにもなるので、システムの刷新をぜひ検討してもらいたい」と話しています。


長く使っていた人からすると、名残惜しいですね。
そうですね。
しかし、サポートが終了すれば、セキュリティー面でのリスクが高まるので安全にインターネットを利用できなくなります。
「インターネット エクスプローラー」は数か月のうちにアイコンがなくなって使えなくなるとはいえ、仮にそれまでの間、セキュリティー対策の弱い状態で利用し続けると、サイバー攻撃による被害を受ける可能性もあります。
安心安全にインターネットを楽しめる環境を維持するためにも、ぜひとも最新のブラウザーを利用してほしいと思います。

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