アプリより結婚相談所?~婚活ビジネスの最新事情~

6月といえば「ジューンブライド」の季節ですが、今、婚活を手厚くサポートしてくれる「結婚相談所」の人気が高まっているって知っていますか?コロナ禍でパーティーや飲み会などの「出会い」の場が減る中で、婚活といえば手軽に登録できる「マッチングアプリ」が特に人気ですよね。でも、なんで昔からある「結婚相談所」が見直されているの?サタデーウオッチ9の長野幸代記者、教えて!

マッチングアプリや結婚相談所などの「婚活サービス」。そんなに利用する人が増えているんですか?
婚活サービスを利用する人は年々増えています。
リクルートブライダル総研の調査によりますと、結婚を希望している人のうち、婚活サービスの利用経験がある人の割合は4年連続で増えていて、2021年は27.2%に上りました。

また、2020年に結婚した人の3人に1人が婚活サービスを利用していたというデータもあります。


コロナ禍の婚活といえば、手軽に登録できる「マッチングアプリ」が特に人気ですよね?
そうですよね。アプリに自分の情報や希望する相手の条件を登録すれば、いつでもどこでも結婚相手を探すことができるため、コロナ禍で利用者が増えています。
ただ便利な反面、「マッチング疲れ」と言われる現象も起きていると指摘されています。


マッチング疲れ?どういうことですか?

ある会社の調査では、こうしたサービスを利用する人は、同時並行で平均5人とメッセージのやり取りをしているとのこと。
このため利用している女性のなんと9割が、メッセージのやり取りなどに“疲れ”を感じているといいます。
こうした背景もあって、見直されているのが、仲介役が婚活を手厚くサポートしてくれる「結婚相談所」なんです。
日本最大の結婚相談所のネットワーク「日本結婚相談所連盟」によりますと、加盟する相談所の数は年々増加し、去年初めて3000を超えました。
最近は異業種からの参入も相次いでいます。


異業種から婚活ビジネスに参入ですか?

私が最初に訪ねたのは都内の美容院。
美容師が女性の髪をトリートメントしながら話していたのは「婚活」の相談です。

「年齢的にもうちょい上でもいいですか、いける?」(美容師)
「全然いいなって思いました」(女性)
「住所は1都3県がいいよね?」(美容師)
「近いほうがいいなって思います」(女性)
実はこの美容院、「日本結婚相談所連盟」に加盟している結婚相談所でもあるんです。
ネットワークに登録している会員は、5月末現在で7万8000人余り。その中から、どんな相手が女性にふさわしいか相談に乗っています。


美容院が結婚相談所ですか。確かに気兼ねなく相談できる気がします…
もともと髪を切る際に恋愛相談に乗ることが多かったという美容師の上原啓輔さん。
その経験を生かせるのではないかと、去年10月に結婚相談所を開設したんだそうです。
相談に乗るだけではなく、プロフィール写真の撮影や、ファッションのアドバイスまで、美容師ならではの能力や経験を生かして婚活をサポートしています。

「髪を切りながらいろいろな人の恋愛観を聞いていて情報量は多いと思うので、第三者としてリアルな声を提供できるのかなと。人をきれいにするのが仕事ですが、人を幸せにできる要素がもっと大きいものを提供できるようになれればと思っています」


ほかにはどんな業種が婚活ビジネスに参入しているのですか?

ことし3月に結婚相談所を開設したのは、東京・千代田区の「ホテルニューオータニ」。これまで5万件以上の結婚式をプロデュースしてきたホテルならではのノウハウを生かし、婚活ビジネスに参入しました。
プロフィール写真の撮影から、お見合いの場所のセッティング、デートスポットやプロポーズにおすすめのレストラン選びなど、ホテルのスタッフが相手探しをサポートしてくれます。
最も手厚いサポートを受けられる「プレミアムコース」は、初期費用だけで44万円かかりますが、想定以上の問い合わせが来ているんだそうです。


44万円ですか!かなり費用がかかるイメージですが、それだけ結婚相談所の人気が高まっているんですね。
なぜ今、結婚相談所が人気なのか?恋愛心理学が専門の川名好裕さんが話していたのは「選択肢が増えるほど、人は選択が難しくなる」ということ。
アプリなどが発達して選べる相手が多くなるほど、自分が求める水準が上がって、逆に1人を選ぶことが難しくなるという力が働くことがあるそうです。
別の専門家は「今は後押ししてくれる人がいないと、選択が難しい時代になっている。オンラインやデジタル化が進んでいるが、最終的に選ぶ際にはリアルな人間の声に後押しされたいという欲求がある」と話していました。
コロナ禍で人気が高まる婚活サービス。
今後もさまざまな形で広がっていきそうです。

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