NEW2022年03月31日

3Gサービス終了 ガラケーはどうなるの?

3月31日でauが主にガラケーと呼ばれる携帯電話で使われている3Gのサービスを終了します。実は数年のうちにドコモもソフトバンクも3Gのサービスを終了する計画なんです。え?するとガラケーは使えなくなるの?私たちは何をすればいいの?情報通信分野を取材している岡谷宏基記者、教えて!!

そもそも3Gってどういう意味?私はむかしからパカパカ開く携帯電話(いわゆるガラケー)を使っているけど、これが3Gなのかしら?

岡谷記者

3Gは通話をしたり通信をしたりするときの「通信規格」の1つ。そして、ガラケーは手もとにある携帯端末のタイプを指しています。実際のところは『3G=ほぼガラケー利用者』という関係です。

GはGenerationを意味し、3Gは“3世代目の通信規格”ということです。

2001年ごろにサービスが始まり、それまでは“音声通話中心”でしたが、インターネットが利用しやすくなり、カメラ付きの携帯電話で手軽に写真を送りあうことができるようになりました。

サービスは多様化し、ケータイ普及の原動力にもなったんです。

当時、3Gということばは一般の利用者の間であまり使われていませんでした。

3Gとして携帯各社が展開していたサービス名=「FOMA」(ドコモなど)とか「CDMA 1X WIN」(au)のほうがなじみがある、という人が多いかも知れませんね。

その後、スマートフォンが登場し、2010年ごろには4Gと呼ばれる新たな通信規格が登場しました。

これによって3G=ほぼガラケー利用者、4G=ほぼスマートフォン利用者という構図になったのです。

「スマホは操作が難しそう」とガラケーを使い続ける人は高齢者を中心に多く、これまでも3Gのサービスは利用され続けてきました。

まさに私のことね!スマートフォンよりガラケーのほうが操作が簡単だと感じるし、手になじむのよ。

岡谷記者

そう感じる人も多いようです。ただ、スマートフォンの普及に伴って、3Gの携帯電話の利用者はだんだん減っていました。

一方で、いまは5Gと呼ばれる最新の通信が登場。

携帯各社はより速く通信できる5Gへの投資を進めたいと考えているんです。

ドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクという携帯大手3社のうち、auが3月31日をもって3Gのサービスを終了します。

さきほど3G=ほぼガラケー利用者と紹介しましたが、ガラケーだけでなく、iPhone5などの一部の古いタイプのスマートフォンも使えなくなります。

また、KDDIによりますと『2015年2月までに発売された機種』を使っている場合、端末が3Gにしか対応していないので、使えなくなるということです。

auが3Gを終了するって言うけど、ほかの会社はどうなの?

岡谷記者

サービスを終了する時期は各社によって違います。

サービスが終わると3G対応の携帯端末は電話もメールも使えなくなります。ガラケーを使っている人にとってはとても大事な話です。

ただ、こんな調査もあります。
MMD研究所という調査会社が、60代と70代で3G対応の携帯電話の利用者およそ700人に聞いたところ、3Gサービスが終わることを「知らない」と答えた人は16%、およそ6人に1人だったということです。

今回auが先行して終了しますが、ソフトバンクやドコモも数年のうちにサービスを終了します。利用者は4Gや5Gに対応した端末に切り替えておく必要があるんです。

とくに3Gの携帯電話は高齢者の利用が多いということで、各社もサービス終了をどう周知していくかが課題だと感じているようです。

知らなかったわ。
では、私のような3G対応のガラケーを使っている人はどうしたらいいの?

岡谷記者

4Gや5G対応のスマートフォンなどに切り替えることになります。

ただ、ガラケーを長く使ってきたためスマートフォンの扱いに不安を感じている、という人も多いと思います。

今、各社はスマートフォンに慣れてない人でも安心して扱うことができるよう携帯ショップで高齢者などを対象にした無料の教室を開いています。

参加して使い勝手を確認してみるのもいいかもしれません。

3月下旬に取材した都内の携帯ショップでは、80代のおじいちゃんやおばあちゃんがスマートフォンを使って文字入力のしかたをいちから学んでいました。

また、スマートフォンのアプリには暮らしに役立つものがいろいろあります。

家族や友達と気軽にビデオ通話で話したり、防災情報を見やすい形で受け取ったり、その日の歩いた歩数など健康管理をしやすくするなど、基本的なアプリの使い方も紹介しているそうです。

でも、私のように「使い慣れたガラケーがいい」って言う人も多いのでは?

岡谷記者

4G対応ながら見た目はガラケー。そんなプッシュボタン式の端末もあるんです。

パネルタッチ方式のスマートフォンの操作に不安がある高齢者をはじめ、手袋をして作業をすることが多い農業や建設の現場で働く人たち向けに、各社が販売しています。

高齢者向けに機能をシンプルにしたものもあって、無理をしてスマートフォンに切り替える必要はありません。

料金の面でも、ひと月当たりの基本料金が1000円を切るプランもあり、3Gから4Gに変更しても料金を抑えることは可能です。

これから数年内に3Gが終わり、4G、そして5Gと、通信規格は高速・大容量化が急速に進んでいきます。

一昔前とは比べ物にならないくらい携帯端末は暮らしに欠かせない道具となっていくだけに、「使えない」という人は極力減らさないといけません。

通信が高度化すればするほど、デジタル弱者を取り残さない取り組みが重要になってくると思います。