ガソリン価格、なぜ高い?

最近、ガソリンが高いと感じている方、多いのではないでしょうか。なんでこんなに高いの?私たちの暮らしへの影響は?エネルギーを担当する西園興起記者、教えて!
最近のガソリン代、値上がりしすぎじゃないですか?
西園記者
驚いている人、多いですよね。
10月11日時点のレギュラーガソリンの小売価格は全国平均で1リットル当たり162.1円。
6週連続の値上がりで、およそ7年ぶりの高値になっています。
5月18日時点の価格は125.5円でしたから、半年ほどの間に36円も高くなっているんです。

なんでこんなに値上がりしているんですか?
西園記者
原料となる原油価格の高騰が理由です。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことで世界的に経済活動が再開し、原油の需要が膨らんでいます。
その一方で供給は抑えられている状況なんです。

8月末に石油関連施設が集中するアメリカ南部の沿岸をハリケーンが直撃しました。
さらに、OPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は、景気の先行きが不透明なことなどから11月の増産を見送ったんです。
ニューヨーク市場では10月11日、国際的な原油価格の指標となるWTIの先物価格が一時、
1バレル=82ドルを超え、およそ7年ぶりの高値となりました。

原油の価格が上がると、私たちの家計にも影響が出そうですね?
西園記者
そうですね。
原油はガソリン以外にもたとえば、ペットボトルやレジ袋、食品トレー、メガネのレンズに使われるアクリル樹脂など、多くの製品に使われています。
また、温室野菜を育てるためのボイラーにも重油が燃料として使われていますし、クリーニングでも石油系の溶剤が使われています。
原油価格が上がることで身の回りのさまざまな製品の値上がりにつながる可能性があります。
このまま原油価格が1バレル=80ドル程度で推移した場合には、今後1年間の家計の負担額が年間2万8000円ほど増えると試算するエコノミストもいます。
この状況、いつまで続くんですか?
西園記者
原油の高騰はしばらく続きそうです。
原油高は家計だけでなく工場の燃料費や物流コストも押し上げる可能性があります。
専門家はこの状況が続けば、日本経済の先行きにも影響を与えかねないと指摘しています。

日本総合研究所の松田健太郎副主任研究員
「年末にかけて原油価格の高い水準が続く可能性があり、さまざまな製品への影響を注視する必要がある。企業はエネルギー価格の上昇や輸入コストの増加によって収益が減ることになるし、家計もガソリンや暖房のコスト増で購買力を押し下げられ、消費者マインドにも影響する。今後の経済活動に水を差す可能性が高い」
最近は原油以外にも石炭や天然ガスの価格が高騰していて、電気料金やガス料金の値上がりも生じています。
食料品の値上がりも相次いでいますし、家計や企業の負担はさらに増しそうです。
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