NEW2021年06月30日

レジ袋の有料化 効果あった?

コンビニやスーパーで買う時の「レジ袋」。あなたはどうしていますか?マイバッグで頑張っている人、有料だけどその都度もらっている人、さまざまだと思いますが、レジ袋の有料化から1年で、実際にどのくらい効果があったのでしょうか? 経済部の茂木里美記者、教えてください!

有料になって、レジ袋を使わなくなったという人、多いですよね。

茂木記者

そうですね。スーパーでは以前からマイバッグが定着していましたが、去年7月から一斉に有料になったコンビニでは、レジ袋を使わない人が増えているようです。

それは、コンビニ各社がまとめた「レジ袋の辞退率」(買い物をした人のうち、レジ袋を購入しなかった人の割合)のデータからわかります。

セブン‐イレブン
75%(2020年7月~2021年2月)
ローソン
75%(2020年7月~2021年2月)
ファミリーマート
77%(2020年7月~2021年5月)

日本フランチャイズチェーン協会によると、有料化が義務づけられる前のコンビニの辞退率は25%程度。

この1年で3倍程度に伸びたことがわかります。

なるほど。
それでは有料化の効果としてプラスチックごみは減ったんでしょうか?

茂木記者

「レジ袋のごみ」そのものは減ったとみられますが、その反動のような動きもあります。

ごみ袋メーカー「サニパック」が消費者を対象に行ったアンケート調査では、もらったレジ袋は家でごみ袋にしたり、食料品の保存袋として使ったりと再利用していると答えた人が9割以上にのぼりました。

つまり、レジ袋はそのまま捨てられることは少なかったといえます。

それが、今は有料化されて、レジ袋をもらう機会が減った反面、この会社の調査によりますと、レジ袋と似たような形をした、取っ手付きのポリ袋の売り上げが有料化前の2倍以上になっているということです。

レジ袋の有料化で、プラスチックごみが減ったと簡単に言い切るのは難しそうです。

では有料化には効果がなかったのでしょうか?

茂木記者

人々の意識を変えたという大きな意味があると思います。

もともと、プラスチックごみ全体に占めるレジ袋の割合は数%程度と言われています。

レジ袋有料化を義務づける際、その目的はマイバッグの持参など、プラスチックに頼っている消費者のライフスタイルの変革を促していくことだと位置づけられていました。

この1年で、私自身もコンビニでレジ袋を利用することはほとんどなくなりましたし、マイバッグを使っている人を街なかで目にする機会も増えました。

外食産業ではプラスチックの食器をやめ、紙や木製などに切り替えようという動きも出始めています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 植田洋行主任研究員

環境問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの植田洋行主任研究員は「今、ひとりひとりがプラスチック製品とのつきあい方を大きく変えるタイミングに来ていると思う。レジ袋の有料化で、使わなくていいプラスチックは使わないことが当たり前のように受け入れられるようになり、これからはほかのプラスチック製品にもこうした経験をいかしていくことが求められるのではないか」と指摘しています。

ところで、レジ袋はコンビニでは1枚3円から5円程度で販売されていますが、その売り上げがどう使われているか知っていますか?各社とも、レジ袋の収益は環境保護などの活動の資金にあてています。

セブン‐イレブンは、去年7月からことし2月までで、本部に入ったレジ袋の収益は5億6500万円にものぼり、ペットボトルのリサイクルを促すために店頭に回収ボックスを設置する費用にあてたり、環境保護を行うNPO団体に寄付したりしています。

ファミリーマートは、レジ袋の収益をプラスチックの海洋ゴミを原材料にした買い物かごを作る開発費用にあてているということです。