楽天も新プランで対抗
携帯電話事業に去年新規参入した楽天モバイルが新料金プランを発表しました。大手3社も新プランや値下げを相次いで打ち出していて、競争が激しくなっています。楽天は、使用量が少ない場合(0~1ギガまで)は無料を打ち出すなどして、対抗していく姿勢を鮮明にしました。各社の料金って、いったいどうなったの?教えて!
楽天の新しいプランは、どんな内容なんですか?
データ使用量について「大容量・無制限」と、いわゆる「従量制」を組み合わせて、1つの料金プランにしたのが特徴です。
楽天は現在、月額2980円で原則データ使用量に制限がない料金プランを掲げていますがことし4月からは、新たなプランに切り替えます。
データ使用量が▽3ギガを超え20ギガまでの場合は1980円に引き下げ、▽1ギガを超え3ギガまでは980円に、▽ゼロから1ギガまでは無料とします。
20ギガを超えた場合はデータ使用量を無制限として、引き続き2980円となります。
政府の値下げ要請に応える形で、NTTドコモとKDDI、ソフトバンクの大手3社は、20ギガまでで月額2980円となるプランの導入を決めています(1回5分の国内通話料を含めた場合)。
20ギガまでの料金で比べると、大手3社が2980円、楽天が1980円となります。
一方、大手の大容量プランや小容量プランでは、家族割引や固定通信契約割引などの対象となれば表の金額よりも安くなる場合があります。
これまでも大手3社より割安なのに、さらに下げてきたということですか?
新規参入の楽天は、大手3社などから利用者を奪わないといけない立場です。
ことしの春のタイミングで大手3社がそろって値下げしてくることに、強い危機感を持っていました。
楽天は「データ無制限2980円」の料金を掲げていますが、いま実際にその料金を支払っている人はいません。
去年4月に新規参入してから1年間の無料キャンペーンを行っているからです。
つまり、この無料キャンペーンはことし4月以降、順次終わっていくわけです。
楽天はまだ自社回線がカバーするエリアが狭いので、それに満足できない利用者が無料キャンペーンの終了をきっかけに大手に乗り換えるのを防ぎたいねらいがあります。
また、国内ではデータ使用量が5ギガまでの人が全体の3分の2を占めているということで、そうしたいわゆる“ライトユーザー”の料金を引き下げることで、利用者を獲得したいねらいもあります。
さらに、楽天は今回の新プランの申し込みなどは全国およそ580の店舗でも受け付けるとアピールしています。
大手3社の20ギガ新プランがいずれもオンライン専用となっていることを強く意識した形です。
楽天モバイルの三木谷浩史会長は「インターネットを使える人は安く、店頭に行く人は高くなるというのは、おかしいと思う。まわりにもネット上の申し込みが苦手な人がたくさんいる。店頭でサポートしていく」と述べています。
値下げも気になりますが、利用者にとっては、つながりやすいかどうかも重要ですよね。
楽天の自社回線の人口カバー率は、1月22日現在で73.5%。
大手3社は99%を超えているので、まだ開きがあります。
ことしの3月末までに80%に、夏までに96%に引き上げるよう、ネット通販の営業社員なども動員して、基地局の整備を進めているということです。
再来年(2023年)以降は、人工衛星からの通信を活用し100%を目指すというアイデアもあるそうです。
大手に対抗して、いわゆる格安スマホ各社も値下げしていますよね。
「マイネオ」を展開するオプテージ、Y.U-mobile、日本通信など、多くの事業者がすでに値下げを発表したほか、IIJなども値下げに向けた検討を進めています。
格安スマホは、音声通話を利用しない利用者向けに、より価格の安いデータ通信専用のプランを提供したり、ギガを家族で分け合うことで1人当たりの料金を安く抑えるプランなど、会社ごとにバリエーションがあるのも特徴です。
しかし、料金の値下げによって利用者が増えなければ収益は圧迫される形になります。
格安スマホ各社は大手から回線などを借りて事業を展開しているため、大手に支払う接続料などが引き下げられなければ、その分利益が減ることになるからです。
接続料は、政府が今年度から3年間で半分に引き下げることを目指していますが、早期の引き下げやさらなる引き下げが必要だという指摘もあります。
通信業界に詳しいMM総研の横田英明研究部長は「大手の値下げによって格安スマホは厳しい状況に置かれていて、再編が進む可能性がある。大手による寡占がさらに進むことを避けるためにも、格安スマホ各社が回線を借りるために支払う接続料をいっそう引き下げるなど、競争環境を整備することが求められる」と話しています。
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