DXってなんですか?

「DX」って知っていますか?「デラックス」(豪華!)という意味ではありません。新型コロナウイルスをきっかけにテレワークや脱はんこなど“新しい日常”に対応する動きが増える中、企業はいまDXの取り組みを加速させようとしているんですが・・・いったいDXって何?
※2022年9月6日時点の最新の情報に更新しています。
「DX」っていったいなんですか?
DXは「デジタルトランスフォーメーション」を略したことばです。変化や変換という意味があるトランスフォーメーションの「トランス」を英語圏では「X」と表記することがあるため、「DX」と略されるようになりました。日本語では「デジタル変革」とも訳されます。デジタル技術を使って、人手のかかっていたサービスを自動化したり作業を効率化したりするのが「デジタル化」だとすると、DXはデジタル技術やデータを駆使して作業の一部にとどまらず社会や暮らし全体がより便利になるよう大胆に変革していく取り組みを指します。
たとえばどんな取り組みがあるんですか?

意外と身近なところで、「変革」が起きているんですよ。例えば、ネット通販でおなじみの「おすすめ機能」です。ネット通販で商品を閲覧していると「あなたにおすすめ」として関連する商品が自動的に表示されることがありますよね。閲覧したデータなどをもとにAIがユーザーの好みを推測し、ユーザーが欲しいと思いそうな商品を選び出す機能ですが、従来は店員が客とじっくり会話をしないとできなったサービスで、買い物のスタイルが大きく変わった、つまりデジタル化で変革が起きたとされています。この先も5Gなどの通信、自動運転の技術などを使ったDXが加速していくとみられています。
そのDX、なぜ最近になって注目されているのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに日本のデジタル化が進むのではないかという見方が出ているのです。毎日会社に行くことが当たり前。書類には上司の“はんこ”が必要といった固定観念や慣習は、ときに“デジタル化の壁”ともなっていましたが、これがなくなってきました。感染を防ごうとさまざまな会社で「テレワーク」が広がっていますし、会議はオンライン、対面のサービスはネットに、はんこを押すためだけに出社するのは効率が悪いと「脱はんこ」を図って電子署名に切り替えようという動きも増えています。そんな新しい日常への転換がDXを強く後押しするのではないかとみられているのです。
具体的な動きってあるんですか?
経団連が最近、DXに関する報告書をまとめました。この中では、▼アメリカはグーグルやアマゾンといったプラットフォーマーとも呼ばれる巨大企業がDXをけん引している▼中国は国家が主導する形でDXを進め、テクノロジー企業が大規模にデータを収集していると指摘しています。
これに対して日本では、業界や分野の垣根をなくし、大企業からスタートアップ企業、自治体がそれぞれの強みや特徴を生かしながら連携することが大事だと強調しています。
その連携の動きの1つが、このほど明らかになりました。JR東日本、あいおいニッセイ同和損保、TRIーAD(トヨタ自動車の自動運転などのソフトウェア開発を担う会社 ※現ウーブン・プラネット・ホールディングス)、日本ユニシス(※現IPROGY)、出光興産などが連携して新たなDXのプロジェクトを始めることになったのです。このプロジェクトは、「スマートシティーX」と名付けられました。
アメリカ・シリコンバレーで投資事業をしている「スクラムベンチャーズ」が、業種を越えた大手6社のほか、日本やアメリカ、イスラエルなど世界中のスタートアップ企業200社から300社にも参加を呼びかけるということです。自動運転や空飛ぶ車などを使った新しい交通システム、オンライン診療などのヘルスケア、「新しい日常」に関連した分野(テレワークなど)で、新しいサービスを目指します。
DXの取り組みで大企業、スタートアップ企業がここまで広く連携するのは異例のことなんです。プロジェクトには東京・渋谷区や三重県も加わってさまざまな実証実験を行い、来年夏ごろまでには10あまりの新サービスや事業の概要をまとめるということです。
暮らしが便利になりそう!!楽しみですね。
でもプロジェクトのメンバーはむしろ気を引き締めています。「日本企業は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ければイノベーションに対して腰をかがめてしまうかもしれない。しかし海外では逆に投資が加速するという見方もある。ウイルスだけでなくイノベーションの競争にも打ち勝たないとならない」(26日のプロジェクト発表会で)。
さあ、果たして2020年は「変革」の年になるのでしょうか。
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