ローカル5Gって何?

「ローカル5G」を手がける事業者に初めて予備免許が交付されました。5Gはスマホなどで使われる次世代の通信規格として耳にすることが増えてきましたが、その5Gが「ローカル」とは、どういうことなんでしょうか?(2019年12月17日の記事に一部加筆しました)
「ローカル5G」は聞き慣れないことばですが、これも通信規格のことなんですか?
通信規格の活用方法、といったところでしょうか。そもそも「5G」は今のスマートフォンなどで使われている4Gの次の世代とされる通信規格のこと。高速・大容量で、遅延なくリアルタイムで情報のやり取りができることや、多くの端末が同時に接続できるといった特徴があります。
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社や、第4の通信事業者としての楽天モバイルが、3月以降、順次、商用サービスを始める計画。

一方、「ローカル5G」は、携帯各社が整備する全国的な5G網とは違って、地域や産業のニーズに合わせて、建物内や敷地内といった限られたエリア、つまりローカルではりめぐらせる5G網のことなんです。企業や自治体、大学などに電波が割り当てられることになっています。大手携帯会社の5G網が全国に整備されるまでに時間がかかるので、これとは別に電波を割り当てて、いち早く地域で活用してもらうというねらいですね。
企業や自治体などがどう活用するんですか?
たとえば「スマート工場」。工場内部に5Gの無線通信網を整備して生産設備を自動化したり、センサーやカメラで機械の異常を速やかに察知して生産効率を高めたりといったイメージですね。
ほかにも、危険度が高い建設現場にローカル5Gを導入して、建設機械を5Gで遠隔操作したり、農場に導入して肥料や水などを自動で管理するシステムを作ったり、河川に設置したカメラから高精度の映像を送って防災に活用したりと、さまざまな応用が期待されています。
総務省は、限られたエリアの通信網なので、ほかの場所の通信障害の影響を受けにくい特徴もあるとしています。
応用は工夫次第ということなんですね。
そうですね。総務省は、電波を利用するための申請を去年12月から受け付けていて、今回、富士通が初めての予備免許の交付を受けました。問題がなければ、3月末までに本免許が得られる予定。富士通は、自社の事業所に5G網を整備してスマート工場の実証実験をしたい考えです。

国内では、NECも、通信網の整備から具体的な活用方法までを一括して企業や自治体に提供するサービスに参入することを表明。2023年度までに100以上の企業や団体にサービス提供を目指すとしています。
東芝などもローカル5Gに関連する事業に参入する方針で、5Gで高い技術力を持つ中国のファーウェイも日本でのサービスや製品の提供を検討しています。
大手携帯各社が手がける5Gは、対応するスマホの価格が当初は高くなると見込まれることもあって、広く普及するには一定の時間がかかるとも言われています。一方でローカル5Gは、企業や自治体が目的に応じて整備するため、活用が広がっていくことも期待されています。これからどのように使われていくのか、注目したいところですね。
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