なぜケーキに予約が必要?

コンビニ大手のファミリーマートがことしから、クリスマスケーキを予約販売のみ、つまり「完全予約」に切り替えました。洋菓子店のケーキは予約が当たり前かもしれませんが、コンビニでも要予約?そして、なぜかき入れ時のこの時期に完全予約を始めたのか?流通業界担当の嶋井健太記者に聞いてみます!
ファミリーマートはなぜ完全予約を打ち出したのでしょうか?
嶋井記者
売れ残りをなくすことで「食品ロス」を減らすことと、店側の利益の底上げにつなげるねらいがあるようです。ファミリーマートは、ことし、大型のクリスマス向けのケーキ23種類について、原則として事前に予約を受けた分だけを販売します。
去年までは、予約に加えて売り上げの見込みなどに基づいた量を発注し、店頭で販売していましたが、売れ残りが出てしまい、仕入れなどの費用が店側の負担となっていたんです。

私は24日、完全予約のお店に行って話を聞いてみました。お店の人は「大型ケーキは単価も高いので売れ残りがでないことで店にとっても負担が減ります」と話していました。
実はファミリーマートは、すでにことしの夏、「土用のうし」向けのうな重やひつまぶしを予約販売に切り替えたところ、対象商品の売り上げが2割減った一方で、廃棄する量も大幅に減り、店側の利益は7割アップしたそうです。うなぎで一定の効果があったことで、今回、クリスマスケーキも完全予約を導入したというわけで、来年の「恵方巻」でも予約販売を強化するらしいですよ。
なるほど。食品ロスを減らす意味でも効果がありそうですね。
嶋井記者
そうですね。食べられる状態であるにもかかわらず、売れ残ることなどで捨てられてしまう「食品ロス」は大きな社会問題になっています。国の推計では、年間643万トン(平成28年度)の食品ロスがあり、このうち1割以上にあたる66万トンがコンビニやスーパーから出ているんです。この食品ロスが減ることが期待できますね。
これはファミリーマートだけの取り組みなんですか?
嶋井記者
小売業界では、同じようなねらいの取り組みがいろいろ始まっています。

大手スーパーのイオンは、来年の恵方巻について、食品ロスを防ぐため通常の半分のサイズを増やすほか、予約できる商品の数を13種類から30種類に増やし、予約の受付開始を例年より2週間早める対応を取ることにしています。イオンは1月10日までの早めの予約は5%割り引くなどして、予約の割合をこれまでの倍以上の35%に引き上げたい考えです。
またセブン‐イレブンは、賞味期限が近づいた食品を買った利用客に5%分のポイントを還元して、実質割り引く実験を四国や北海道で行っていて、効果が確認されれば全国の店舗で実施することにしています。廃棄にかかる費用の店側の負担を減らすとともに、食品ロスの対策にもなりそうです。
このほかローソンは、おにぎりや弁当の品質管理などを見直して、「商品が販売できる時間」を延ばしています。
気軽に買い物ができるコンビニやスーパーで予約なんてちょっと面倒と感じるかもしれませんが、各社がさまざまな取り組みを打ち出すことで消費者の意識も変わり、私たちの買い物のスタイルも少しずつ変わっていくかもしれませんね。
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