ヴィッツ、なぜ名前が変わる?

トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」。
実は海外では「ヤリス」という名前なんですが、来年から日本でもこの「ヤリス」に名前を統一することが発表されました。
利用者に広く親しまれてきた名前をなぜ変えるのか?そして調べてみると、ほかにも名前を変えているクルマが…。
経済部・自動車業界担当の鈴木啓太記者、教えて!
同じ車なのに日本では「ヴィッツ」、海外では「ヤリス」という違う名前で販売されていたんですね。
鈴木記者
そうなんです。
「ヴィッツ」という名前は、才知・機知といった意味のドイツ語 “Witz”などに由来しています。
「ヤリス(Yaris)」は気品を象徴するギリシャ神話の美の女神 “Charis”から。
同じ車でも名前が異なる事例はほかのメーカーでもあります。

ホンダの「フィット」は、ヨーロッパなどでは「ジャズ」。
日産が国内で「デュアリス」として販売していた車は、海外では「キャシュカイ」として知られています。
国内外で名前を変えるのは、「国や地域によって受け入れられやすいことばが違うから」(自動車メーカー担当者)とのことです。
なぜトヨタはこのタイミングで名前を統一したんでしょうか。
鈴木記者
「ヴィッツ」は1999年の誕生から20年がたちます。
今回、4代目となる新型車の開発にあたって、トヨタはエンジンやプラットフォーム(基本構造)など、すべてを新たに設計し、車を刷新させました。
「これまでにないスポーティーな走りで、コンパクトカーのイメージを一新させたい」
そういう思いで名前も変えることにしたと言います。
社内でさまざまな議論があったようですが、海外で広く浸透した名前に一本化することを決めました。

「ヴィッツ」「ヤリス」をあわせた累計の販売台数は、世界で800万台を越えます。
このうち半分以上はヨーロッパ市場で売れたんです。主力の市場では名前を維持したほうが販売戦略上、プラスになるという判断もあったのだと思います。日本では来年2月に「ヤリス」が発売される予定です。
海外で使っていた名前に統一するような事例はほかにもあります?
鈴木記者
ありますよ。マツダもことしから「アクセラ」を「マツダ3」、「デミオ」を「マツダ2」というように、海外と同じように車の大きさなどに合わせて社名と数字を組み合わせる名前にそろえました。
そのねらいは「特定の車種ではなく、ライフステージに合わせてマツダの車に乗り続けてもらいたい」(マツダ担当者)という思いだと言います。
「いつかはクラウン」
かつて使われた高級車のキャッチコピーが示すように、車の名前が豊かさを象徴するような時代もありました。
今、若者の車離れが進み、「保有」から「シェアリング」へと使い方も変わりつつあります。
作り手が車の名前に託す思いや、利用者が名前から受け取るイメージが今後どう変わっていくのか、楽しみですね。
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