SIMロック解除って何?結局、携帯料金って安くなるの?
![](/news/special/sakusakukeizai/wp-content/uploads/2022/03/saku-20191004-poster.jpg)
携帯電話の「SIMロック」
最近、よく耳にすることばですが、このロックを「解除する」ことについて、いろいろなニュースが出て、もうよくわからない!という方、いませんか?
本当に知りたいのは、ケータイの料金が安くなるのか、選びやすくなるのか、ということなんですけど経済部の伊賀亮人記者、教えてください!
そもそもなんですけど、「SIMロック」ってどういうことなんですか?
伊賀記者
SIMロックというのは、携帯の端末を契約した携帯会社以外の通信回線では使えないようにすることです。つまりスマホを買った後に携帯会社を乗り換えても、このロックがかかっていては使えません。
携帯各社は、利用者が希望すればSIMロックを解除することが義務づけられてはいますが、総務省のガイドラインで、分割払いでの購入の場合、購入から100日程度はロックをかけることが認められています。
これは高額なスマホの代金を支払わずに持ち逃げされることなどを防ぐためで、分割払いの少なくとも1回分は支払いが確認できる期間として設定されたものです。
![ニュース画像](/news/special/sakusakukeizai/articles/still/20191004/saku-20191004-01.jpg)
なるほど。そのSIMロックの「解除」が最近、話題になっているのは、なぜ?
伊賀記者
携帯電話料金に関する法律が改正されたことが、一つのきっかけになっています。ざっくり言うと、この法改正では「高すぎる」といわれる携帯料金を引き下げるため、「利用者が他社に乗り換えやすくする」仕組みを作るというもの。
具体的には「通信料金」と「端末代金」をセットで払い続ける仕組みをやめて、別々のものにするよう義務づけられたんです。その法改正に合わせて、ソフトバンクとauのKDDIが「端末の割り引き」に関する新しい料金プランを発表したことが、注目されました。
このプランも、ざっくり言うと、「スマホの代金を48回払いで購入し、その半分の24回以上支払えば、そのスマホを下取りに出して新しいスマホを買った場合に、古いスマホの残りの代金は払わなくてもいいようにする」というもの。48回、つまり4年分のうち2年分を払えば残りの代金は払わなくていいから「半額」ということです。
![ニュース画像](/news/special/sakusakukeizai/articles/still/20191004/saku-20191004-02.jpg)
これまでも同じような割り引きはありましたが、今回のプランは通信の契約をしていない「他社のユーザー」も対象にしているのがポイントです。
ただ、先ほど説明したように、スマホには100日間はロックをかけることができます。その間は、他社のユーザーがこのプランで新しいスマホを買ったとしても、100日間は購入したスマホを使えない、ということになります。
実質的に利用者を囲い込む、つまり他社への乗り換えができないようにするねらいがあると批判が出たのです。
そこで、総務省がガイドラインを見直し、購入した人が希望すれば販売後すぐにロックを外すことを携帯各社に義務づけることになったのです。
ソフトバンクとKDDI、NTTドコモはそれぞれ、どう対応するのですか?
伊賀記者
総務省は今、ガイドラインの見直しについて意見を募集していて、その結果を踏まえて来月中旬に正式に決定するので各社が対応を進めています。
![ニュース画像](/news/special/sakusakukeizai/articles/still/20191004/saku-20191004-03.jpg)
ソフトバンクは、クレジットカードでの支払いを条件にしてロックの解除に応じることにしました。また、割り引きプランについても、利用するために料金がかかって結果的に割引額が半額にならないという指摘もあったので、プランの名前に「半額」ということばを使うのもやめました。
KDDIも2か月分の代金を前払いすることを条件にロックの解除に応じることにしました。来月には割り引きプランそのものも見直すことにしていて、対象をauのユーザーに絞り込むことやプランの利用料をとることをやめることにしています。
NTTドコモは、もともと割り引き対象を自社の契約者に限定しているため今回の議論の主な対象とはなっていませんでしたが、来年4月からは販売後すぐにロックの解除に応じることが義務づけられます。
うーん、これで携帯が安くなったり、乗り換えがしやすくなったりするのでしょうか。
伊賀記者
乗り換えのしやすさについては、SIMロックのガイドラインの見直し自体は大きな一歩と言えます。
今後、ガイドラインの見直しによって、実際に乗り換えが活発に行われて、携帯各社の競争につながるのかが注目点です。
ただ料金については、法律が改正されたこのタイミングで大手各社が発表した料金プランは、これまでとほぼ同じ水準でした。
各社は、新規参入の楽天がどのような料金プランを打ち出してくるのかを探っていましたが、楽天の参入はひとまず限定的なもので、現状では各社は大幅な値下げに踏み切ることはなかったのです。
料金の引き下げが実現するには、まだ時間がかかりそうです。
# 注目のタグ
- # 新型コロナ (51件)
- # 暮らし・子育て (34件)
- # 銀行・金融 (34件)
- # 環境・脱炭素 (33件)
- # 自動車 (28件)
- # AI・IT・ネット (27件)
- # 財政・経済政策 (24件)
- # 働き方改革 (21件)
- # 給与・雇用 (21件)
- # 日銀 (19件)
- # 企業の合従連衡・業界再編 (18件)
- # 消費税率引き上げ (17件)
- # エネルギー (17件)
- # 農業・農産品 (15件)
- # 原油価格 (14件)
- # 人手不足 (14件)
- # 物価高騰 (13件)
- # 外食 (13件)
- # 旅行・インバウンド (12件)
- # 株式市場・株価 (12件)
- # 景気 (12件)
- # 経済連携・貿易 (12件)
- # ウクライナ侵攻 (11件)
- # 携帯料金 (10件)
- # コンビニ (10件)
- # お酒 (10件)
- # 携帯電話 (9件)
- # 鉄道 (9件)
- # キャッシュレス決済 (9件)
- # 為替 (9件)