NEW2019年09月20日

サクサク消費税(9) ポイント還元制度

消費税の気になる点を解説する「サクサク経済Q&A」。今回は、消費税率の引き上げに合わせて実施される「ポイント還元制度」についてです。

買い物でポイントが返ってくるのはうれしいですね。どんな制度なんですか?

「ポイント還元制度」は、中小の店舗で、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどでキャッシュレス決済をすると、原則、購入額の5%分がポイントで還元されます。

コンビニや外食チェーン、ガソリンスタンドなどの大手チェーンのフランチャイズの店舗では、還元されるのは購入額の2%分です。この還元分を政府が補助します。

消費税率の引き上げによる消費の落ち込みを防ぐために実施され、期間は10月から来年6月までの9か月間です。

ポイントは、どのような形で還元されるんですか?

原則は、後日使えるポイントで還元されるのですが、例えば大手コンビニでは、一部の店舗を除いて、支払いの際に還元対象の2%相当の金額を購入額から差し引き、実質的な値引きを行うとしています。

また、大手クレジットカード各社は、還元の対象になる金額分をカードの利用代金を請求する際に差し引いて値引きの形を取ります。

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交通系の電子マネーの場合は?

交通系の電子マネーの多くは、買い物によるポイントを受け取るには登録が別途必要になります。例えば、電子マネーの老舗で7500万枚以上が発行されているJR東日本の「Suica」。

ポイント還元を受けるには別途、「JRE POINT」という専用のサービスに登録し、このポイントとして還元を受けることになります。

中小の店舗だと、現金しか使えないというところも多いですよね。

そうですよね。この制度は、そうした中小の店舗にもキャッシュレス決済を普及させることも狙いの1つなんです。このため、決済端末のない中小の店舗が端末を導入する費用は、国と決済事業者が全額負担する仕組みです。

ポイント還元の率が店によって違うみたいですけど、中小企業や大手のフランチャイズ店ならどこでも還元を受けられるんですか?

ポイント還元制度への参加を希望する中小の店舗は、クレジットカード会社などの決済事業者を通じて申請する必要があります。経済産業省によりますと、9月5日の時点では申請件数はおよそ58万件と、制度の対象となりうる全国200万店舗のおよそ3割にとどまっています。

ただ、制度への参加の申請は来年4月末まで受け付けているということで、今後さらに対象の店舗は増えるかもしれません。

還元を受けられる店舗なのかどうか、どうやって見分ければよいのですか?

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対象の店舗では、ポスターやステッカーが店頭に掲示されるほか、9月中には対象の店舗が地図上に表示されるアプリが消費者向けに公表される予定です。

次回は、消費税率が引き上げられた後の景気について解説します。