サクサク消費税(8)増収分の使いみちは
消費税の気になる点を解説する「サクサク消費税Q&A」。今回は、増えた税金の使いみちについてです。
今回の引き上げで増えた税金の収入は、社会保障に使われるということでしたよね?
消費税を8%から10%に引き上げた場合の増収額は、5兆7000億円程度に上る見込みです。すべて社会保障に充てられることになっていて、政府は、社会保障を「全世代型」のものに転換したいとしています。
「全世代型」って何ですか?
社会保障というと、これまで高齢者が中心でしたが、「全世代型」は子育て世代にも対象を広げていこうというものです。その柱となるのが、税率の引き上げに合わせて実施される幼児教育と保育の無償化です。
何歳までが無償化の範囲なのでしょうか?
3歳から5歳までの子どもについては、幼稚園、認可保育所、認定こども園、企業主導型保育所などの利用料が、世帯の所得にかかわらず、一律、無料になります。
独自の利用料を定めている一部の私立幼稚園は、月額2万5700円を上限に給付金が支給されます。
このほか、認可外保育施設なども、保育の必要性が認められれば、月額3万7000円を上限に給付されます。
親が働きに出ている場合などに、通常の幼稚園の時間が終わった後などに子どもを預かってもらう、幼稚園での「預かり保育」。これは、対象になるのですか?
「預かり保育」も、市区町村から保護者の就労や介護など保育の必要性が認められれば、利用日数に応じて、さらに月額1万1300円を上限に給付金が支給されます。
0歳から2歳までの子どもを保育園に預けている場合、対象にならないのでしょうか?
住民税の非課税世帯に限って、認可保育所、認定こども園、企業主導型保育所などの利用料が無料になり、認可外保育施設などは、月額4万2000円を上限に給付金が支給されます。
また政府は、引き上げ分を財源に、待機児童の解消に向けて、来年度(2020年度)までに32万人分の保育の受け皿を整備するとしています。
さらに、大学など高等教育についても、来年4月から住民税が非課税の世帯とそれに準ずる世帯を対象に、大学などの入学金や授業料が減免され、給付型の奨学金が支給されることになっています。
それ以外に、どんな政策に使われるのでしょうか?
住民税が非課税の世帯を対象に、高齢者の介護保険料の負担を本人の収入に応じて軽減するための費用や、年金などの所得が低い高齢者を対象に、月額5000円を基準にした新たな給付金を支給するための費用、それに、介護分野の人材不足の解消に向けて、現場のリーダー役を担うベテランの介護職員の給与を月額8万円相当引き上げるための費用にも充てられることになっています。
次回は、キャッシュレス決済のポイント還元制度について解説します。
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