NEW2019年07月05日

2段階認証って何?

セブン‐イレブンのスマホ決済サービス「7pay」で、第三者による不正アクセスがあり、被害額がおよそ5500万円にのぼる可能性があると運営会社が発表しました。「7pay」をめぐっては、「2段階認証」が導入されていなかったため、セキュリティが不十分だったのではないかという指摘も出ています。でも、2段階認証って何ですか?そして利用者は何に気をつければいいの?

「7pay」の不正利用、いったい何が起きているんですか?

「7pay」は、セブン‐イレブン・ジャパンが7月1日から始めたスマホ決済サービスで、およそ150万人が登録している。

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運営会社によると、「7pay」のアプリに何者かが不正にアクセスし、クレジットカードやデビットカードから勝手にチャージが行われ、セブン‐イレブンの店頭で買い物に使われる被害が確認されている。中には、クレジットカードから1日にチャージできる限度額の30万円が入金され、その日のうちに店舗で大量のたばこが購入されたケースもあるそう。

運営会社では、「7pay」へのすべてのチャージと新規の登録を停止し、安全性を確認するとしていて、現時点では再開のめどは立っていないとしている。

勝手にチャージされるとは怖い話ですね。セキュリティー対策に問題はなかったのでしょうか?

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「7pay」のセキュリティー対策について、運営会社は「サービスの開始前に審査をきちんと行っていて、ぜい弱性は見つからなかった」と説明している。ただ、専門家からは対策に不備があった可能性があるという指摘も出ているの。

1つは、ほかのスマホ決済では導入が進んでいる「2段階認証」を導入していなかったこと。

2段階認証は、サービスを利用するためにスマホのアプリに登録したりログインしたりする際、通常のIDとパスワードの入力に加えて、メールなどで送られてくるワンタイムパスワードを入力し、本人かどうか認証する仕組み。段階を踏んで認証を行うことで、第三者による不正なアクセスを防ぐねらいがある。

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「7pay」は、もともとクーポンを配信する別のアプリの新機能として追加された経緯もあって、顧客の利便性を重視するため「2段階認証」のシステムを導入していなかったそう。このため、不正に入手したIDとパスワードさえ入力すればどの端末からでも会員登録できる状態だった。

また、パスワードを変更する手続きでも課題を指摘する声がある。パスワードを忘れるなどして再設定をする場合、一般的には、あらかじめ登録したメールアドレスに、手続きを進めるためのメールが届く仕組みになっている。

ところが「7pay」では、生年月日などを入力すれば、メールの送り先を、登録してあるものとは別のアドレスに送れるようになっていた。このため第三者がパスワードの再設定のメールの送り先を自分のアドレスにして、勝手にパスワードを変更するとともに、不正に入手したクレジットカード情報などをもとにチャージをして商品を購入することができる状態だったと見られる。

こうしたことが起きると、スマホ決済の利用を不安に思う人もいるかもしれませんね。

そうね。スマホ決済の不正利用は過去にも起きているの。

ソフトバンクとヤフーの「PayPay」では、去年12月の大型キャンペーン期間中に、利用した覚えのない請求が届く不正利用が確認された。これを受けて会社では、クレジットカード情報を利用者が登録する際の本人認証の仕組みを強化したほか、クレジットカードで支払える金額を制限する措置も取った。

また、それまでは、カード情報の登録の際、数字3ケタのセキュリティコードなどを何度、間違えても入力に制限がかからない仕様になっていたため、入力回数に制限を設ける措置を取った。

こうした過去の教訓が「7pay」のセキュリティに生かされていたか、検証する必要がありそうね。

スマホ決済の利用者は、被害にあわないために、どういうことに気をつければいいでしょうか。

スマホのセキュリティーに詳しい専門家は、サービスに登録する前に、複数の段階で本人確認が行われているかなどセキュリティ対策が十分かを確認してから利用を判断してほしいと話している。

また、身に覚えの無い利用があった場合に警告のメールが送られてくる仕組みがあるかどうかも確認しておいたほうがいいのではないかとしている。

スマホ決済は便利で、お得なキャンペーンもあるので利用する人も多いと思うけど、利用の前に、各社の対策を慎重に見極めることも重要かもしれないわね。