「大阪トラック」って何やねん?

「大阪トラック」って、聞いたことありますか?
あなたがこのサイトを訪れたことで、生まれた「あるもの」についての議論が、これから始まります。
その「あるもの」は、日本や世界の経済活動にとって欠かせないもの。そのルール作りに関係あるのが「大阪トラック」だと言うのですが…。
「あるもの」とは何なのか。
大阪とは、トラックとは、どういうことなのか。
経済部で通商政策を取材している宮本雄太郎記者に聞いてみます。
「大阪トラック」、ネットで検索すると配送センターなどが出てきますが…。
もう少ししたら、ネット上に関連ニュースが多く出てくるかもしれませんね。
大阪トラックは、これから始まるG20大阪サミットで議論される大事なテーマの1つなんです。
「トラック」とは、車のトラックのことではなくて、「track=道」という意味です。陸上競技のトラックと同じですね。
ある国際ルールを作るための道のりのことを総称していて、今回は大阪を舞台に話し合われるので「大阪トラック」と呼ばれています。
いったい何のルールを作るための「道のり」なんですか?

毎日膨大な数で生み出される「データ」の活用についてのルールなんです。
たとえば、腕につけるスマートウオッチ。
GPSの位置情報に加えて、心拍数や歩数まで次々とデータが生み出され、インターネットを通じて企業などに送られています。
そのデータを活用することで、企業側は健康状態を管理するアプリを開発したり、最適な広告を表示させたり、さまざまなビジネスにつなげられます。
データは今や「21世紀の石油」とも呼ばれるほど、経済成長に欠かせない「資源」になっているんです。
なるほど。でも、心拍数のような個人情報まで知られるのは少し心配ですね。
そうですね。企業が集めたデータが何らかの形で悪用されないか、という心配があります。時の権力者が、体制に反抗的な人を見つけたり押さえ込んだり、人を管理することにデータを使うかもしれないとも危惧されています。
それなのに、巨大なIT企業がグローバルに活動する中で、国境を越えてデータを安全に流通させるルールや仕組みは、今のところ定められていないのです。
そのルール作りを議論するのが、大阪トラックなんです。
ルール作りは、どうやって進めるんですか?

まずはG20大阪サミットで、自由にデータを流通させる前提として、個人のプライバシーや企業の知的財産をしっかり守ろうという考え方を参加国の間で共有することから始まります。
日本やEUには、個人情報保護法のような法律がすでにあり、安全やプライバシーが確保されている国の間では自由なデータの行き来もすでに始まっています。
しかし、こうしたルールは、すべての国にあるわけではなく、アメリカのように明確なルールがない国もあれば、中国のようにデータの自由な移転を原則的に禁止している国もあります。
今後、新しい国際ルールを作るかどうかは、今回のG20での議論を経て、WTO=世界貿易機関やOECD=経済協力開発機構といった国際機関の会議の場も通じて、産業界も巻き込んで話し合われる見通しです。
G20大阪サミットは、大阪トラックのスタートラインになります。議論の内容は、今後のニュースでお伝えしていきますので、ぜひチェックしてみてください。
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