将棋とAIの「ふかいい関係」って?

日本将棋連盟が、対局の記録である「棋譜」の作成にAI=人工知能を使って無人化を目指すと発表しました。
将棋と言えば、AIを活用した将棋ソフトの棋力がプロ棋士をしのぐまでになっていますが、今回の取り組み、将棋の世界に何をもたらすのでしょうか?
将棋界では、藤井聡太七段の活躍が目覚ましいですよね。
その藤井聡太七段も、腕を磨くのにAIを使った将棋ソフトを取り入れていることは有名。AIの進化で将棋ソフトの棋力は年々増し、2017年に行われたプロ棋士と将棋ソフトとの対局では、ソフトが当時の名人を破って話題を呼んだわね。
今回は、そのAIを棋譜の作成に活用するんですね。

そう。対局の1手1手を記録する「棋譜」は、まさに対局者どうしの真剣勝負の記録。将棋界にずっと残っていくものだし、プロ・アマを問わず、棋力の向上を目指す人たちが必死に学ぶ重要なもの。
棋譜の作成は、日本将棋連盟の場合、プロ棋士を目指す奨励会員が主に担っているんだけど、最近は高校や大学などに通っている奨励会員も多くて、年間3000以上もある対局すべての棋譜を記録するには人手不足になっているんだって。そこで、AIを活用したシステムで機械化しようというの。
コンピューター上で対戦するなら棋譜も簡単に記録できそうですが、実際の将棋盤や駒を使った対局で、どう記録するんですか?

今回のシステムはこんな感じ。まず、棋士が動かした駒が「飛車」なのか「角」なのか、どんな角度からでも認識できるよう、AIに膨大な駒の画像を学習させる。
そして、対局時には、天井に設置したカメラで盤面を撮影して、駒の動きを認識。リアルタイムで棋譜が作れるようにすることを目指すとのこと。AIに駒をしっかり認識させるのがポイントで、そのためには、大量の駒の画像データが必要。
担当した精密機器大手のリコーの開発者によると、日本将棋連盟から提供された画像のほか、みずから写真を撮ったりして、2万枚もの画像データをAIに学習させたそうよ。
ではこれで将棋の対局の時は、記録する人はいなくなるんですか?
当面は記録係の人と合わせて試験的にAIのシステムも導入されるそう。システム全体の使い勝手も確かめながら、将来的には完全な機械化、無人化も想定しているということ。
棋譜づくりがこれまで以上にスムーズになり、棋士やファンがより手軽に活用できるようになるなら、将棋界にとってはプラスですね。AIがつくった棋譜をAIの将棋ソフトが学習すれば、もっと棋力が上がるのかな…。

それは否定できないけど、藤井聡太七段のように、AIの予測を上回る1手を放ってファンの間に驚きを広げたことだってある。
棋譜づくりのような地道な作業の面で棋士はAIの力を借り、そのうえでAIを上回るような戦略づくりに没頭すれば、将棋界に新たな世界が広がる…、そんな想像もおもしろいわね。
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