食品ロス削減がコンビニFC支援に?
いわゆる「食品ロス」を減らすため、コンビニ大手が相次いで新たな対策に乗り出します。消費期限が近づいた弁当などを購入すれば買い物で使えるポイントを還元することで廃棄する食品を減らそうという取り組みです。これが、フランチャイズ加盟店の支援にもつながるというのですが…。
「食品ロス」って、本来、食べられるはずの食品が売れ残りなどで廃棄されてしまうことですよね。
そうね。食品ロスの量は、国の推計で643万トン(平成28年度)。これは国民1人当たり1日に茶わん1杯分のごはんを捨てている計算になるの。
食品ロスのうちコンビニやスーパーなどの食品小売業から出される量は66万トンで、全体の約10%に上るんだって。
食品ロスを減らすために、コンビニが乗り出した対策とはどのようなものでしょう。
まず、ローソンは、6月に愛媛県と沖縄県の全店舗で実験を始める。
消費期限が近い食品を購入した客に、買い物で使えるポイントを還元するという。100円ごとに5ポイントが付与されるほか、対象商品の購入額の5%が子育て支援に取り組む地元の団体に寄付されるそうよ。
対象商品には客が分かりやすいように専用のシールが貼られていて、朝と昼に店に届けられた弁当やおにぎりが午後4時を過ぎると自動的に対象になるんだって。
ポイント還元によって期限が近い商品の購入を促し、食品ロスの削減につなげるのがねらい。ローソンでは、効果を検証したうえで、全国に広げたいとしている。
最大手の「セブン‐イレブン」も全国の店舗で同じようなポイント還元の取り組みをこの秋にも始めるほか、ファミリーマートはことしからクリスマスケーキなど季節商品の販売を完全予約制にして、廃棄する食品を減らそうとしているの。
食品ロスの削減は、厳しい経営環境に置かれているコンビニのフランチャイズ加盟店を支援することにもつながるということですが、それはどうしてですか。
コンビニで売られている弁当やパンなどは、加盟店が本部から仕入れているんだけど、売れ残った食品を廃棄する場合、加盟店にとっては、その仕入れ金額の大半が「損失」になる。
加盟店のオーナーで作る団体によると、多くの店舗で1日当たりの損失が1万円を超えていて、人手不足で人件費が高騰するなか、加盟店の経営を圧迫する要因にもなっていたの。
今回のセブン‐イレブンとローソンの取り組みは、ポイント還元によって実質的な値引きをすることで客に購入を促し、廃棄する食品を減らすねらいがある。これによって、売り上げを増やしつつ廃棄に伴う損失も軽くなるというわけ。
それに、還元するポイントの原資は本部側が負担するので、加盟店の経営を支援する効果が期待できるとしているのよ。
実際に思うような効果が上げられるのか注目したいわね。
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