NEW2019年03月29日

ルネサス 最大1か月工場止めるの?

大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは、国内の6か所の工場について4月末からの10連休の時期にあわせて最大で1か月間操業を停止することになりました。

停止することになった工場は?

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対象となるのは、国内にある9つの工場のうち、茨城県の那珂工場、群馬県の高崎工場、大津市の滋賀工場、山口県宇部市の山口工場、愛媛県の西条工場、熊本市の川尻工場の6か所。

4月27日からの10連休の時期にあわせて、最大で1か月間停止する予定で、今後の受注の状況によっては停止期間が1か月より短くなるところもあるんだって。ルネサスでは、操業停止の期間中は、従業員に休業手当を支給することを検討していて、労働組合側と協議を進めている。

なぜ1か月も停止しないといけないのでしょうか。これだけ長い期間休むのは異例ですよね。

中国で自動車や工作機械向けの半導体部品の需要が落ち込んでいるので、工場の稼働率が低くなっている。去年の10月から12月は5割。ことしに入ってからは6割程度なんだって。

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半導体工場の心臓部に当たるクリーンルームを維持するための光熱費が相当かかるから、稼働率がここまで低いと、5日程度休んでもあまり意味が無くて、ある一定期間、操業を停止して生産を減らしたほうがコスト削減になるんだって。

中国経済の減速は、半導体や電子部品業界全体に影響を与えている。ルネサスも去年1年間の決算で最終利益が前の年よりも3割近く減るなど、業績が落ち込んでいるの。

1か月停止したあとは、回復していきそうなんですか。

7月以降の工場の稼働については、まだ見通せないとしている。

呉文精社長は「需要は1月~3月が底で、4月からの第2四半期に向けて上がっていく。その後は、米中の貿易問題や中国の景気、イギリスのEU離脱問題などでなかなか見通せない。売り上げが伸びることに期待するのではなく、伸びなくても経営的な結果が出せるようにコントロールしていく」と話している。

政府は3月の月例経済報告で、中国経済の減速を背景に輸出や企業の生産の一部に弱さがみられるとして、3年ぶりに景気判断を下向きに修正したでしょ。海外経済の中でも特に中国の動向には注意したほうがよさそうね。