“置き配”で減らせる? 再配達
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ドライバーなどの人手不足に悩む宅配業界。一方で宅配便の数は増え続けていて、中でも「再配達」が大きな負担になっています。再配達を削減する切り札にしようと、政府がプッシュしているのが、「置き配(おきはい)」です。
ネット通販の普及で宅配便の数は増えているんですよね。
そう。宅配便の数は2017年度で42.5億個。
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グラフを見ると、特にここ数年、増加ペースが上がっていることが分かる。ネット通販の普及で、荷物の「小口化」、配達の「多頻度化」も起きているそう。
こうした中、必然的に宅配業界の負担になっているのが、「再配達」。
国土交通省が行っているサンプル調査によると、宅配便全体の15.2%が再配達になっている。ドライバーの負担が増すだけでなく、二酸化炭素の排出量が増えるという観点からも、再配達を減らすことが課題になっているのね。
その切り札が、「置き配」ですか。
荷物を、玄関先など利用者があらかじめ指定した場所に置いて配達を終えるサービスのこと。家人が不在でも荷物は持ち帰らず、再配達が生まれない。
国内では、「楽天」が、「楽天エクスプレス」と呼ばれる自社の配送サービスで、本や日用品を対象に玄関前やメーターボックスの中、自転車のかごの中などを指定できるようにしている。
「アマゾン」も、有料会員向けの「プライムナウ」と呼ばれるサービスで、冷凍・冷蔵商品や高額商品などを除いて、配送先として玄関前などを指定できるようにしているほか、「日本郵便」も3月に制度を導入した。
すでに複数のサービスがあるんですね。普及しているんでしょうか?
まだ課題があると言えそう。政府は、3月25日、「置き配検討会」という会議を設けて、関係業界とともに「置き配」の普及に向けた具体策を話し始めた。
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その場で示された国土交通省によるアンケートによると、置き配を「利用したことがない」、または「利用したいと思わない」と答えた人が6割以上に上った。そして、その理由を尋ねたところ、「荷物が盗難されないか心配」が最も多く、ついで、「通販サイトや宅配業者などが置き配に対応していないから」。そして「不在であることがわかってしまうから」という回答が続いた。防犯面の不安を感じる人が多かったのね。
政府の会議は、今後、盗難に対する不安の解消や、荷物の伝票に記された氏名などの個人情報の保護などの課題への対応策を、6月をめどに検討していく方針。
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日本郵便が18年12月にベンチャー企業と組んで行った「置き配」の実証実験では、鍵のかかるバッグをワイヤーでドアノブなどにくくりつけておき、このバッグに荷物を入れておく方法が使われた。このときは、盗難はゼロで、再配達も6割減少という効果がみられたそう。
人手不足は日本全体の課題だから、これからも官民の工夫で安全で利用しやすいサービスを打ち出していって欲しいところね。
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