NEW2019年01月25日

仮想通貨、名前変わるってさ

「仮想通貨」の法令上の呼び名が変わる見通しになりました。新たな呼び名は「暗号資産」。国際的な流れに合わせようということのようですが… 暗号?? 資産??

「暗号資産」って、不思議なことばですね。何を指すのかイメージが湧きにくいですが。

英語の「クリプト・アセット」という呼び名を和訳したもの。「暗号」というのは、偽造を防ぐために使われている仮想通貨の暗号化技術に由来しているんだけど、今回の名称変更で大きいのは、「通貨」が「資産」に変わること。

本来、国境を簡単に越えて送金ができ、さまざまなものやサービスの支払いにも使える「未来のお金」という期待を集めて登場した仮想通貨だけど、今までのところ、もっぱら投資の対象として注目されて、仮想通貨そのものの価格が乱高下したり、投機的な取り引きが増えたりしていたのが実態。

こうした状況を踏まえて各国の金融当局の間では、「通貨=カレンシー」と呼ばれることで、ドルや円などの「法定通貨」と混同されてしまうことに懸念が強まってきたわけ。

「国の信用で成り立ち、政府や中央銀行が管理する法定通貨と違って、仮想通貨は『通貨』としての役割は果たしていない!」と言う主張ね。

実際、仮想通貨をめぐる規制などを話し合っているG20の会議では、声明で「暗号資産」という呼び名を使っている。日本でも、こうした流れに合わせて金融庁が法令上の呼び名を変える見込みになった。

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なるほど、支払い手段としての「通貨」というより、投資の対象としての「資産」じゃないかという意味ですか。法令上の呼び名が変わると、民間の仮想通貨交換会社も呼び名を変えることになるんですか?

その可能性がありそう。業界団体の「日本仮想通貨交換業協会」は、「最終的には今後の事情をみながら判断する」としつつも、今のところ、法的に名称が変わるのであればそれに合わせて対応する方向で考えているとのこと。

一方で、業界関係者からは、すでに「仮想通貨」という呼び方が利用者になじんでいるといった理由で、名称変更に反対という本音の声もちらほら聞かれる。

代表的な仮想通貨のビットコインは、ピーク時に比べると価格が大幅に下がっていますし、投機熱という意味でのブームは去った感じもしますが。

本来の理念と違った形で投機熱が高まり、大規模な流出事件なども相次いで信頼性が問われる状況になったのは業界にとって不幸なことだった。

一方、仮想通貨の基盤に使われているブロックチェーンという技術に対しては、さまざまな履歴の記録などに将来性があるという期待の声も、依然、多い。仮想通貨と呼ぶか、暗号資産と呼ぶかの問題もさることながら、新しい技術がどんな風に育ち、今後、どう利用されていくのかを、冷静に見ていきたいところね。