NEW2018年10月24日

人手不足が今の5倍に!?

深刻化が指摘される「人手不足」。このままでは、2030年には644万人分の人手が足りなくなり、今の5倍も厳しくなるという民間の推計がまとまりました。

2030年って12年後ですよね。今の5倍も人手不足が深刻になるって、どういうことですか?

民間のシンクタンク「パーソル総合研究所」と中央大学が共同で行った推計なんだけど、日本経済が今とほぼ同じペースで成長を続けた場合、2030年には7000万人余りの働き手が必要なんだけど、実際に確保できるのは6400万人余りにとどまり、644万人の人手不足が生じてしまうというもの。

必要な働き手に対して9%以上も不足する計算で、厚生労働省が発表した去年6月時点の人手不足の推計値の5倍を超える規模になる。

外食や介護など、いまも人手不足が指摘される現場はもっと厳しくなるということですか?

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産業別で見ると、外食などの「サービス業」で全体の6割にあたる400万人、「医療・福祉」で187万人、「卸売り・小売り」で60万人が不足すると推計。

特に東京や神奈川、千葉、愛知などで不足感が高まると見込まれてる。実際にそれだけ人手が足りなくなってしまうと、せっかくニーズがあっても、それに応じたサービスや商品を提供するのが難しくなるかもしれないわ。

国全体の経済にとっても大きな痛手になりかねませんね。避ける手立てはないのかな?

研究グループでは、4つの対策を組み合わせれば、人手不足をカバーできるとしている。働く“女性”を増やす対策で102万人、働く“シニア”を増やす対策で163万人、働く“外国人”を増やす対策で81万人の人手不足を改善できるとしている。また“生産性を上げる”対策として、AI=人工知能やロボットを活用して、工場の自動化などを進めれば、298万人分の労働力を補えるとしている。これらの対策で合計644万人の人手不足をカバーすることができるという計算ね。

でも、こうした数字を現実にするには、保育の受け皿を拡充するなどして女性が仕事を続けやすい環境の整備や、老々介護を解消してシニアが働きやすくするなどの対応も必要になるわ。政府や企業、社会全体での取り組みが求められていると言えそうね。