電気余っても停電?発電の「出力制御」とは
九州地方では、この秋、電力が余って、大規模な停電が心配されています。電力の需給バランスが崩れる可能性があるためで、全国で初めて太陽光発電などを一時的に停止させる「出力制御」の可能性も出ています。一体どういうことなのでしょうか。
電気が足りなくなって停電というのは分かるけど、「出力制御」ってどういうこと?
「出力抑制」は、電力の供給が過剰になった場合、一部で発電を止めたり、抑えたりする仕組みのこと。
電気は発電する量と使う量のバランスが崩れると、周波数が乱れる。そうなると、発電所などが壊れないように次々に自動的に停止してしまって、大規模停電が起きるおそれがあるの。
そうしたことを防ぐために、発電量を減らそうというもの。先月、北海道では、地震で発電量が急激に減ってブラックアウトが起きたよね。
でも、使う量より発電量が多すぎるという逆のパターンでも、需給バランスが崩れるのは同じで、それで九州で大規模な停電が心配されているというわけ。
九州では、そんなに電力が余っているんですか?
九州は全国的にみても日照条件がよいので、太陽光発電がとても盛んでこの5年間で7倍に増えている。日によっては、太陽光の発電量が、日中に使う電気の8割を賄うようになっているんだって。
さらに九州では、鹿児島県の川内原発と佐賀県の玄海原発のあわせて4基が動いていて、安定して多くの電気を発電するようになっている。
一方、使う量はというと、過ごしやすいこの時期は冷房も暖房もあまり使わないし、特に休みの日は、会社とか工場で使う電気も大きく減るから、需給バランスが崩れる可能性が高まってしまう。
せっかく発電した電気が余るなんてもったいないですね。
確かにそうね。なので、うまく使う方法を探す会社も出てきてはいる。
例えばソフトバンクグループなどは、日中、太陽光で発電した電気を蓄電池にためて、別の時間帯に使う実験を始めている。
九州電力は、電気が余りやすい日中の時間帯を安くする料金メニューも考えたいと言っている。
政府は、太陽光とか風力といった再生可能エネルギーを主力にしたいと言っているわけだから、せっかくの電気をむだにしないように考えて欲しいわね。
それと家庭や会社なども、電気が余っている時間帯に多く使うといった工夫をする必要もあると思う。
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