NEW2018年09月12日

今なぜ?コンビニ銀行

このところ厳しい経営環境が話題になることが多い銀行業界。そこに、10月、新しい銀行が参入してサービスを始めることになりました。大手コンビニ系の「ローソン銀行」です。今なぜ「銀行参入」なのでしょうか?

ローソンの店舗には、多くですでにATM=現金自動預け払い機が設置されていますよね。私も利用したことがありますが、「銀行」になると何かが変わるんですか?

すぐに大きく変わることはなさそうね。

ローソン銀行の当面の主力事業は、コンビニに展開しているATMの運営になる。提携先の銀行の利用者がATMを使った際に生じる手数料収入が収益の柱。

銀行ならではのサービスを打ち出していくのは、その先になりそうね。

どんなことが「ならでは」になるんでしょうか?

ニュース画像
ローソン銀行 山下雅史社長

キーワードは2つ。「地域金融機関との連携」と「キャッシュレス」だとしているわ。

まず地方銀行など、地域金融機関との連携で言うと、地銀などは今、厳しい経営環境を生き抜くために効率化が課題になっている。

そこをとらえて、ローソン銀行は、「ATM網をウチに任せてもらえませんか」という風に、地銀などが利用者の利便性を損なわない形で効率化をできるよう連携していきたいと考えている。

すでに、いくつかの金融機関と検討を始めているそう。

同じように、コンビニの店内に地銀などの出張所を設け、夕方や夜間といった時間帯でも相談や手続きを受け付けられるようにすることも模索しているの。

将来的には、共同で投資信託などの金融商品を開発・販売するといったことも視野に入れている。

ATMは維持管理にコストがかかるので、自前でやらずに他行に任せる動きは大手銀行でも出ていますもんね。地銀などにもニーズはありそうですね。「キャッシュレス」のほうはどうなんでしょう。現金を使わない時代が来ると、事業の柱であるATMが使われなくなってしまいませんか?

だからこそ、将来を見据えて、キャッシュレスの分野でも収益が稼げるようにしておきたいということね。

来年1月には自前のクレジットカードの発行を予定しているほか、今後、数年のうちにローソン以外でも使えるような新しい決済サービスの提供を計画しているとのこと。

ニュース画像

ただ、流通系からの銀行参入では、「イオン銀行」と「セブン銀行」が先行。

セブン銀行は、新生銀行などにもATMを設置するなど、台数を伸ばしている。

イオン銀行も、9月中にも、キャッシュカードがなくてもスマホのアプリを使ってATMから現金を引き出せるようにするなど、サービスの多様化を急いでいる。

スマホなどを使った決済サービスをみても、国内ではIT企業などの参入が相次いで乱立気味。ライバルは多い。

キャッシュレス時代のサービス競争で、特色や違いをいち早く打ち出せるかが、ローソン銀行にとってカギになりそうね。