NEW2018年05月31日

高齢ドライバーの事故 どうやったら防げるの?

高齢ドライバーの事故が全国各地で相次いでいます。
今週も90歳のドライバーが歩行者を次々にはね、4人が死傷する事故が起きましたが、こうした悲惨な事故を防ぐ手段の1つとして期待されているのが「自動ブレーキ」です。

自動ブレーキって、最近いろんな車に搭載されるようになってきましたけど、どのくらい普及が進んでいるんですか。

自動ブレーキは、車に取り付けられたカメラやセンサーで、周囲の歩行者や障害物を検知し、自動でブレーキをかけ、衝突を回避しようというもの。

トヨタ自動車は、新車の7割以上に自動ブレーキを搭載できるようにしているし、去年、日本で一番売れたホンダの軽自動車「NーBOX」は、自動ブレーキを標準装備にしている。その分価格は高めなんだけど、こうした安全技術が逆に売りになっているのよ。

政府は、高齢ドライバーの事故を減らそうと、自動ブレーキのほか、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ機能を搭載した車を「サポカー」(セーフティ・サポートカーS)と呼んで普及を進めていて、新車に占める割合を2020年には9割以上に増やそうとしているの。

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それだけ、高齢ドライバーの事故防止に効果が期待されているということですね。

そうね。トヨタによると、サポカーのような安全機能を搭載した車は、追突事故の発生率が、搭載していない車の10分の1くらいに減っているということなの。

でも、気になる情報もある。国民生活センターのアンケート調査によると、安全機能が搭載された車の利用者のうち、4人に1人が突然ブレーキが働くなどの想定外の出来事を体験したと答えているんだって。メーカー側も、雨や雪などで視界が悪かったり、障害物が小さかったりすると、カメラやセンサーが認識できず、正常に機能しないケースがあると注意を呼びかけているわ。

最近、販売された新車には自動ブレーキなどの装備がついているようですけど、そもそも今持っている車に安全機能がない場合は、どうしたらいいんでしょうか。

あとから機能を追加できる装置もあるのよ。
車用品大手の「オートバックスセブン」は、誤発進防止の機能をあとから取り付けることができる装置を部品メーカーと開発したの。この装置は、国内メーカーの乗用車であれば1日程度の作業で“後付け”することができるのが特徴で、価格は4万円程度と、新車に買い換えるのと比べれば、かなり安く抑えられるわね。

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いずれにしても、こうした安全機能はあくまで補助的なもので、完全に事故を防げるという保証はない。大事なのは、やっぱり自分の運転能力。それを過信しないよう、ドライバー本人も家族も注意してほしいわね。