NEW2018年05月28日

デパート 衣料品より◯◯に注力のわけは?

大手デパートがことし9月、東京・日本橋に新しいタイプの店をオープンすることになりました。ここ数年、デパートでは改装などの動きが相次いでいます。その狙いはどこにあるのでしょうか?

日本橋に新しい店ができるんですか?

高島屋が旗艦店の隣に新館をオープンするのだけど、従来のデパートとはちょっと違う店らしいよ。

デパートと言えば衣料品が売り場の中心だけど、この新館は衣料品売り場が3割の面積しかない。その代わり、レストランや食料品店が4割を占め、ヨガや茶道を体験できる施設も入る。ターゲットにするのは、オフィスで働く人や、周辺の地域に住む人。日本橋はオフィスビルの再開発や、タワーマンションの計画が相次ぎ、街の姿が大きく変わろうとしている。それによって増える人たちを狙ったわけね。

日本橋には他にもデパートがありますよね。そちらの動きは?

三越伊勢丹の旗艦店ね。こちらは150億円をかけて、再来年の春まで大がかりな改装を行っている。東京オリンピック・パラリンピックに向けて外国人旅行者がさらに増えるとみて、化粧品やアクセサリー、時計などの売り場を充実させる計画。

また、大丸松坂屋百貨店も、大阪にある旗艦店の本館を建て替えて、売り場面積を増やすの。外国人旅行者を狙って有名ブランドの日用雑貨などの品ぞろえを充実させることにしている。

オフィスで働く人に、外国人…。狙う層はさまざまですね。

さらにユニークな動きもあるわ。静岡市にある静岡伊勢丹は、今月(5月)30日に、健康に関連する商品やサービスだけを集めたフロアをオープンする。買い物の途中に血圧やストレスの度合いをチェックしてもらったり、健康器具や食品を買ったりすることができるの。行政とも連携していて、静岡市が情報発信するブースも設けられる。高齢化が進み、健康への関心が高い中高年層を呼び込もうという狙いね。

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静岡伊勢丹のフロア

多くの商品を扱うという意味で「百貨店」と呼ばれるデパートだけど、ネット販売が伸び、リアルな店舗との競争も激しくなって、売り上げは減少傾向が続いている。地域の特性にあわせ、狙いとする客層を絞り込むことが戦略として欠かせなくなってきているわね。