NEW2018年05月24日

“関税25%も” アメリカ 次は自動車戦争?

今度は自動車です。トランプ大統領が、輸入車がアメリカの自動車産業に損害を与えていないか調査を始めました。最高で25%の高い関税をかける可能性があると報じられています。日本の自動車メーカー、どうなってしまうのでしょう?

これ、日本にとって、かなり大きなニュースですよね?

確かにそうね。いま、アメリカは輸入乗用車に2.5%の関税をかけている。これが25%になれば一気に10倍よ。本当に引き上げられれば、日本車の価格上昇につながるから自動車メーカーの大きなブレーキになる可能性は否定できないね。
なんといってもアメリカは、日本車の最大の輸出先。財務省の貿易統計をみるとアメリカ向けの2017年の輸出額は4兆5600億円に達している。実にアメリカへの輸出額の30%が自動車なのよ。

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トランプ大統領、3月には、鉄鋼やアルミニウムに25%の関税をかけたばかりですよね。

日本の鉄鋼輸出額は1855億円。アルミニウムは250億円。自動車の輸出額はその20倍以上になるから、影響は数字のとおり、けた違いに大きさね。

自動車メーカーもかなり焦っているんじゃないですか?

それはそうよ。日本の自動車メーカーの去年1年間の国内生産台数はおよそ968万台。このうち173万台余りが、アメリカ向けに輸出されているの。
輸出台数が最も多いのはトヨタ自動車。愛知県や福岡県の工場から71万台を輸出した。
SUBARUは、アメリカで販売している車の半分以上にあたる34万台を日本から輸出しているし、アメリカに工場がないマツダは、アメリカで販売している車の70%にあたる21万台を輸出している。どのメーカーもニュースに動揺しているそうよ。

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でも、関税で自動車が値上がりすれば、アメリカの人たちだって困るんじゃ…?

確かに、アメリカの輸入車販売店などからは大きな反発がでると思う。
ただ、それよりもトランプ大統領にとって重要なのが雇用。日本車などのせいで長年、アメリカの雇用が失われてきたと繰り返し主張してきたからね。

23日に発表した声明をみると「自動車や自動車部品のような主要産業は、国力を示すうえで極めて重要だ」「輸入車が国の安全保障を損なうおそれがないか調査する」と説明している。
関税を引き上げれば、日本やドイツがアメリカに工場を移転して、雇用が増えるという思惑もあるのかも。

ちなみに、このトランプ政権の動きについて、日本商工会議所の三村会頭は「安全保障上の理由で、関税をかけるというのは信じられない措置だ。冷静なアメリカが戻ってくることを期待する」と話している。
ほんとにどうなってしまうのか、目が離せないわね。