NEW2018年05月22日

日本橋に空が戻るのはいつ?

江戸時代の画家、歌川広重の浮世絵にも描かれた東京 日本橋。
その景観を取り戻そうと、周辺の高速道路を地下に通す計画が動き出しています。

東京の日本橋って、映画にもなった麒麟の像がある所ですよね。

そう。橋が最初に架けられたのは江戸幕府が開かれた1603年で、東海道など5つの街道の起点になっている。現在の橋は明治44年に完成し、国の重要文化財にも指定されている。

ところが、その橋を覆うように首都高速道路の高架が通っているので、空が狭くてせっかくの歴史的な景観が台なしなの。前回の東京オリンピックまでに、何としても高速道路を整備しようと、用地取得の手間がいらない川の上に建設したということらしいけど、今から考えると、ちょっともったいない判断だったとも言えるわね。

それで今回、高速道路を地下化しようということなんですね。

地元の住民たちも長年にわたって高速道路の移設を求めていて、去年7月、国と東京都が地下を通す形で移設することを表明した。そして5月22日、JR東京駅の北側付近と江戸橋ジャンクション付近の間の1.2キロを地下化することが決まったの。3000億円程度の費用がかかる見通しよ。

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周辺では再開発も並行して進んでいますよね。

すでにいくつか再開発が行われているけど、さらに6つの計画が進められている。日本橋に近い、大手証券会社の本社がある地区では、地上51階建ての高層ビルが計画されている。こうした再開発計画で街そのものが大きく変わろうとしていることも、高速道路を地下に通そうという判断につながったようね。

それで、高速道路の工事はいつ終わるのですか?

この区間は銀座線など3つの地下鉄や上下水道、それに通信回線も張りめぐらされていて工事が難しいとされている。着工が再来年のオリンピック後で、20年以上かけて行われる見通し。日本橋に空が戻るのは相当先になりそうね。