NEW2018年05月21日

なぜ アメリカからLNG輸入?

都市ガスの原料や、火力発電所の燃料として使われるLNG=液化天然ガス。東京ガスが、アメリカ産のシェールガスから作ったLNGを初めて本格的に輸入することになりました。なぜ今、アメリカからなのでしょうか?

LNGって、耳慣れないけど、どんなものなんですか?

天然ガスをマイナス162度というすごく低い温度まで冷やして、液体にしたもの。気体に比べて体積が600分の1になるから、大量に運べるの。大きなボールがいくつも載ったような、大きなタンカーを見たことがあるかもしれないけど、あれが専用の運搬船よ。

ニュース画像

でも、なぜ今、本格的な輸入を始めるの?

両方の国に事情がある。アメリカでは、シェールガスと呼ばれる天然ガスの開発が進み、供給が増えて輸出できるようになったの。一方、日本は、今まで天然ガスの8割をオーストラリアや東南アジア、それに、中東に依存してきた。アメリカから輸入することで調達先を増やす狙いがある。

それに、トランプ大統領は、日本がアメリカとの貿易でもうけすぎていると問題にしているから、日本としては、今回、国内で調達できないエネルギー資源を輸入することで、アメリカからもちゃんと輸入していますよと主張する狙いもある。

ニュース画像

最近、電気や都市ガスの料金がじわじわ上がっているから、値下げにつながるといいな。

これまで天然ガスの輸入価格は、実は原油の価格と結びついていた。だから、中東情勢の影響で原油の値段が上がると、天然ガスの値段もつられて上がってしまい、電気や都市ガスの料金に響いていたの。

でも、アメリカでは、原油とは連動しない形で天然ガスが取引きされているから、輸入価格の安定につながるのではと期待されている。現状ではアメリカからの輸入はまだ少ないけど、将来、輸入が大きく増えれば、今のように原油の値上がりがすぐに料金にはね返る、ということは変わってくるかもしれないわね。