NEW2018年05月09日

誰に贈る?お中元商戦

ことしも、デパートで恒例のお中元商戦が始まりました。そろいのはっぴを着た従業員が「がんばろう」三唱で商戦をスタートさせる姿は、この時期の風物詩とも言えます。しかし、お礼としての季節の贈り物だったお中元も、時代とともに大きく変化してきています。

デパートでお中元商戦が始まったっていうんですけど、お中元って、贈ったことも、もらったこともないなぁ。

若い世代には、あんまりなじみがないよね。そもそも、江戸時代に定着した習慣らしくて、日頃お世話になっている目上の人に対して、目下の人から贈るのが「お中元」。時期は1年の半ばごろ、地域によっても差があるみたいだけど、大体6月以降、7月中ごろから8月中ごろまでにかけて贈るものとされてる。でもね、最近は企業による贈答向けの需要が縮小していることや、個人でも少子化で親戚などの数自体が減っていることもあり、お中元商戦での売り上げは減少傾向が続いているそうよ。

それでも毎年、専用の売り場を設けたりして、力は入ってますよね。

そうね。この時期は夏のセールの前で、デパートとしては、これといったイベントがほかにないだけに、売り上げ確保の大事なチャンスとなっているの。だから、各社とも取り扱う商品に趣向を凝らすのはもちろん、専用コーナーをつくる時期を前倒ししたり、ネットでも注文できるようにしたりと、需要の掘り起こしを図っているわ。

ことしは、どんな感じになるのかな?

ここ数年の傾向だけど、贈答用ではなく、自分自身や身近な家族のためにお中元商品を買う、いわゆる「ご褒美」需要は伸びている。全体が減少傾向にあるだけに、デパートも、そうした自分へのご褒美需要をさらに伸ばそうとしているの。例えば、大阪の近鉄百貨店では、贈答用のカタログとは別に、自分向けの商品だけを集めたカタログを用意したうえで、傷があるけど割安なフルーツやスイーツなども品ぞろえに加えているそうよ。

もはや贈り物にとどまらないってことですね。

だから、ことしは特に流行の「SNS映え」も意識しているみたい。自分へのご褒美に買った品物は、SNSにアップしたくなるのが人情だものね。大丸松坂屋では、ピアノの鍵盤のデザインをあしらったようかんや、赤や黄色の生地にチョコチップを練り込んで断面がスイカのようにみえるパンといった写真映えのよさも重視した品ぞろえに力を入れている。
こうしたデパート各社のあの手この手でお中元商戦が盛り上がれば、消費拡大にもプラス要因になるかもしれないわね。

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じゃあ、今度サイトや売り場をのぞいてみようかな!

で、誰に贈るのかしら?もちろん、日頃お世話になっている先輩に、だよね?

やっぱり、そう来ましたか。