NEW2018年01月10日

宇宙ビジネス 一体どんな商売?

最近、「宇宙ビジネス」がすごく盛り上がっています。聞いたことありますよね。そんな中、電機メーカーのNECが、人工衛星の運行を管理する「衛星オペレーションセンター」を開設。宇宙ビジネスを強化するそうです。…でも、宇宙で何するの?もうかるの?実はよくわかりません。

宇宙といえば「JAXA」かと思ってました。

そうね。日本では、ロケットの打ち上げや人工衛星の管理は、これまでJAXA(宇宙航空研究開発機構)が一手に主導してきたわ。だけど、宇宙産業を盛り上げようと、政府は新しい法律を作って、許可をとれば民間企業もロケットの打ち上げや、衛星のデータ管理などを行えるようにしたの。

NECは、これまで人工衛星を製造してきたけれど、今回、民間の電機メーカーとして初めて、衛星の管理まで行うことにしたのよ。まずは、今月、JAXAが打ち上げる予定の小型の地球観測衛星「ASNARO」2号機の運行管理を手がけるそうよ。毎日、人工衛星を監視して、軌道修正を行ったり、地球の撮影などを指示するの。

それが、どういうビジネスになるんですか?ピンと来ないんですけど。

人工衛星で観測した地上の画像や、気象データを分析・加工して、農業や漁業に生かすサービスを聞いたことない?例えば、田んぼの稲の生育状況などを宇宙から詳しく分析しておいしいコメづくりに生かすことができるそうよ。また将来、自動運転を実現するためには、道路の渋滞や、事故、工事の情報などを瞬時に取り込むことも必要になるわ。そういうデータを衛星を使ってリアルタイムで収集して、地図データとして提供することなども検討されているの。需要はこれからどんどん拡大していくと見込まれるの。NECも、データの販売が、いいビジネスになると見ているの。

でも宇宙ビジネスってリスク高いんじゃないんですか?

確かに、日本では宇宙ビジネスに果敢に投資しようというリスクマネーが圧倒的に不足しているわ。官民あげたサポートが課題の1つね。ただ、ホリエモンこと実業家の堀江貴文さんが創業者の1人になっている北海道のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が、超小型の人工衛星を軌道に投入する国内初の民間宇宙ロケットの開発に乗り出して、去年打ち上げ実験を行ったわ。「キヤノン電子」「IHIエアロスペース」「清水建設」「日本政策投資銀行」が、次世代のミニロケットを開発する会社を共同で設立したという動きもあるのよ。

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アメリカの「衛星産業協会」の調べでは、宇宙産業の世界全体の市場規模は、2016年で2605億ドル、日本円にして29兆円余り。この4年間で24%も伸びて世界的な競争も激しくなっているわ。リスクは高いけれども、有望分野であることは間違いなさそうね。