NEW2017年11月27日

サイゼリヤ禁煙 たばこのないオリンピックって?

ファミリーレストラン大手のサイゼリヤは、2019年9月までに、全国すべての店を禁煙にする方針です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、厚生労働省は、大手チェーンの飲食店は原則「禁煙」にする法案を検討しています。

レストランや居酒屋の「たばこ」。どうなっていくのでしょう?

どうして、今、禁煙を決めたの?

サイゼリヤは、全国で1000余りのお店を展開しています。全面禁煙に切り替える時間も費用もかかるので、このタイミングになったのです。

今は、大部分の店で、禁煙席と喫煙席に分ける「分煙」を行っています。来年2月以降に新規に出店する店は、最初からすべて「禁煙席」にします。今ある店は改装工事を行って喫煙席をなくすのだそうです。

ほかにはどんな動きが?

ファミリーレストランでは、ロイヤルホストがすでに禁煙化。ファーストフードでも、マクドナルドなどが客席を禁煙化。ケンタッキーフライドチキンが来年3月までに全国およそ320の直営店を禁煙化し、フランチャイズ契約で運営されているおよそ830店も順次、禁煙になります。

子ども連れのお客さんが多い外食チェーンでは、禁煙の動きが広がっていると言えそうです。

禁煙にするとお客が減る、と心配する声もあるようだけど?

ケンタッキーフライドチキンの運営会社に聞きました。

「たばこを吸う人の利用は減ったが、ファミリーの利用が増えました。家族連れや外国人旅行客が増え、たばこに対する意識は変わってきています」と話しています。

居酒屋チェーンなど、お酒を飲む場所で「禁煙」できる?

厚生労働省は、小さなスナック・バーなどを除き、飲食店は原則「禁煙」。たばこを吸えるのは「喫煙室」だけ、という中身の法案を検討しています。この方向で法律が改正されれば、居酒屋チェーンでも、テーブルやカウンターでは、たばこが吸えなくなる可能性があります。

ただ、業界団体やたばこの愛好家の間からは「飲食店の喫煙、分煙、禁煙の選択は自由にするべきだ」といった反対意見も根強くあります。

「たばこのないオリンピック」って?

そもそも、なぜ2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、原則「禁煙」なの?

IOC=国際オリンピック委員会は、開催国に「たばこのないオリンピック」を求めているからです。厚生労働省によりますと、2008年の中国、2012年のイギリス、2016年のブラジルなど、最近のオリンピック開催国は、罰則を伴うたばこの規制を実施しているんです。

他人のたばこの煙を吸い込んでしまう「受動喫煙対策」。WHO=世界保健機関の調査で、日本は186か国中で世界最低レベルに分類されているという事情もあります。

WHOは、今や“伝統”ともなった「たばこのないオリンピック」を実現するため、人が集まる屋内の完全禁煙を全国レベルで実施するよう日本に要請しています。

海外の目線は厳しい、ということですね。

たばこについては、吸う人、吸わない人の意見。海外の見方や、外国人旅行者の声などもあります。それらを踏まえ、最終的にどんな法案が出てくるかが注目です。