ニューハンプシャー州の予備選挙とは?

カナダとの国境に接する、東部・ニューハンプシャー州。
人口130万人余りで、白人層が9割を占める。

アメリカ建国当時のいわゆる独立13州の1つで、自主独立の精神に富む気風で知られている。
13州の中で、イギリスから最初に独立したこの州には、もう1つ、全米で最初に行われるものがある。

それが「予備選挙」だ。

目次

    ニューハンプシャー州の予備選挙とは?

    予備選挙は、各党の大統領候補を投票によって選ぶ仕組みで、特にニューハンプシャー州では、党員でなくても事前に共和党か民主党のどちらかを選んだうえで投票できる。
    アイオワ州での民主党の党員集会のように、党員が議論しながら誰を支持するか決める方法とは違い、有権者全体の動向がより客観的に示されるため、その後行われる各州の予備選挙を展望する1つの指標となる。

    アイオワ州とニューハンプシャー州が指名争いの最初の2戦となった1972年以来、このどちらでも2位以内に入れなかった候補者が最終的に党の指名を獲得したことはない。
    このため、初戦のアイオワ州で出遅れた候補者にとって、ニューハンプシャー州の予備選挙は復活をかけた、序盤の大きなヤマ場となり、メディアの注目度も極めて高い。

    過去にも「名ドラマ」

    そして、このニューハンプシャー州の予備選挙では、これまでに何度も「ドラマ」が起きている。

    1992年には、民主党の指名獲得を目指していたビル・クリントン氏が、初戦のアイオワ州で大敗したあとニューハンプシャー州で2位になったことで息を吹き返し、最終的には民主党の候補者として現職のブッシュ(父)大統領を打ち負かした。

    また、2008年、民主党の上院議員1年目だったオバマ氏はニューハンプシャー州でヒラリー・クリントン氏に競り負けたが、そのとき敗戦のスピーチで述べたのが、かの有名な「Yes we can」だった。
    この前向きなフレーズは多くの人の共感を呼び、オバマ氏を大統領へと押し上げる大きなきっかけとなった。

    そして、前回の大統領選で、トランプ氏が初めて勝利をあげたのも、ニューハンプシャー州だった。
    当時、野党・共和党の指名獲得を目指していたトランプ氏は、アイオワ州で2位に終わったあと、続くニューハンプシャー州を制した勢いに乗って大統領にまで上り詰め、世界中をあっと驚かせた。

    ニューハンプシャー州の予備選挙で、ことしはどのような「ドラマ」が生まれるのだろうか…。

    (国際部記者 白井綾乃)