パラダイス文書 追跡 疑惑の資産隠し

25000社の情報を公開

タックスヘイブン=租税回避地に関する新たな流出文書「パラダイスペーパー」の分析を進めている「ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合」は、これまでの分析で判明したタックスヘイブンなどに設立された法人およそ2万5000社に関する情報を11月17日、ホームページで公開しました。
公開したのはバミューダの法律事務所「アップルビー」が設立に関わった法人の役員や実質的な株主の名前や住所などです。

日本に関係する個人や企業の名前も1000件余り含まれていて、これまでの分析ではその多くは海外事業を展開するためにタックスヘイブンに子会社を設立している大企業とその社員とみられます。

こうした法人に関する基礎的な情報は多くの国では法人登記などに記載され、一般に公開されていますが、タックスヘイブンでは秘匿されることも多く、税逃れなど不正の温床になっていると国際的に批判されていることからICIJは情報を公開することの公益性は高いとしています。

アメリカ商務長官 新たなロシア疑惑

「パナマ文書」報道を手がけた「ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合」が租税回避地=タックスヘイブンに関する新たな文書を入手しました。「パラダイスペーパー」と名付けた文書の分析で、アメリカのロス商務長官が実質的に出資する海運会社が、ロシアのプーチン大統領の親族らが役員を務める企業との取り引きで巨額の収入を得ていることがわかりました。トランプ政権がいわゆる「ロシア疑惑」に揺れる中、重要閣僚に対して、プーチン大統領に近いロシア企業から得られた利益の一部が流れる構図が浮かび上がりました。

「パナマ文書」報道を手がけた「ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合」が租税回避地=タックスヘイブンに関する新たな文書を入手しました。「パラダイスペーパー」と名付けた文書の分析で、アメリカのロス商務長官が実質的に出資する海運会社が、ロシアのプーチン大統領の親族らが役員を務める企業との取り引きで巨額の収入を得ていることがわかりました。トランプ政権がいわゆる「ロシア疑惑」に揺れる中、重要閣僚に対して、プーチン大統領に近いロシア企業から得られた利益の一部が流れる構図が浮かび上がりました。
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新たな文書は、北大西洋の島イギリス領バミューダにある法律事務所などから流出したタックスヘイブンに関する膨大な量の電子ファイルで、ICIJは「税の楽園」になぞらえて「パラダイスペーパー」と名付けました。
ドイツの南ドイツ新聞が入手し、ICIJと連携するNHKを含む世界67か国の96の報道機関がおよそ1年をかけてそれぞれの国での分析を進めてきました。
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このうちアメリカでの分析で、トランプ政権の重要閣僚、ウィルバー・ロス商務長官が出資するケイマン諸島の複数のファンドが、イギリスを拠点とする海運会社「ナビゲーターホールディングス」の株を30%余り保有していることがわかりました。
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この海運会社は、プーチン大統領の娘婿やロシアによるクリミア併合をめぐってアメリカ政府が経済制裁の対象としている実業家らが、実質的に支配するロシアの石油化学会社「シブール」から輸送業務を請け負い、2014年からの3年間で、6800万ドル、日本円にしておよそ77億円の収入を得ていました。
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この結果、プーチン大統領に近いロシア企業との取引で得られた利益の一部がロス長官側に流れる構図になっていました。ロス長官は就任する際、国益に反する行為はしないと宣言していますが、この投資の詳細については明らかにしていませんでした。

アメリカで、去年の大統領選挙にロシアが干渉したとされるいわゆる「ロシア疑惑」の捜査が進む中、トランプ政権の重要閣僚とプーチン大統領に直結する人物らのビジネス上のつながりが明らかになったのは初めてです。

ロス長官の広報担当者はICIJの取材に対し、「ロシアの会社自体は経済制裁の対象ではないし、ロス長官が管理する投資ファンドが海運会社の株の過半数を所有したこともない。ロス長官はプーチン大統領の娘婿や実業家らに会ったことは一度もない。アメリカ政府による経済制裁を支持している」などとコメントしています。

「再建王」 ウィルバー・ロス氏とは

「再建王」 ウィルバー・ロス氏とは
アメリカ商務長官のウィルバー・ロス氏はニュージャージー州生まれの79歳。著名な投資家で、雑誌「フォーブス」に資産が25億ドル、およそ2800億円を超えると報じられた大富豪です。

ロス氏は1970年代に大手投資会社に入り、企業の経営再建の手腕を身につけ、「再建王」との異名を持ちます。
1990年代にトランプ大統領のカジノが経営に行き詰まった際、債務の軽減を手助けしたことで、トランプ氏から厚い信頼を得ていきました。去年のアメリカ大統領選挙ではトランプ陣営の経済アドバイザーを務め、今年2月からは日本の経済産業大臣にあたる商務長官としてトランプ政権で貿易政策などを担当しています。

知日派としても知られ、多くの日本の上場企業に投資してきたほか、ことし2月まで日米交流団体のひとつ、「ジャパン・ソサエティー」の会長を務めました。

また投資活動を通じて日本経済の底上げに貢献したことや東日本大震災が発生した際に基金を設け、およそ16億円の寄付金を集めて被災地の復興を支援したことが評価され、3年前に旭日重光章を受章しています。

「パラダイスペーパー」

「パラダイスペーパー」
「パラダイスペーパー」はICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合が新たに入手した大西洋の島国イギリス領バミューダなどのタックスヘイブンに設立された法人などに関する電子ファイルです。
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バミューダを拠点とする法律事務所「アップルビー」とシンガポールの法人設立サービス会社「アジアシティトラスト」の顧客などに関する内部資料のほか、バハマやバルバドス、マルタなど経済活動に関する情報の匿名性が高い19の国や地域の登記書類などが含まれます。合わせて1340万件にのぼる膨大なもので、「史上最大のリーク」と評された「パナマ文書」に比べるとファイル数で190万件以上、上回ります。
「パナマ文書」と同様、ドイツの南ドイツ新聞が入手し、ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合と共有しました。入手した経緯や情報提供者について南ドイツ新聞は一切明らかにしていません。

ICIJはタックスヘイブンの多くが美しい島国で、ヨーロッパなどでは租税回避地のことを「税の楽園」と呼ぶことから「パラダイスペーパー」と名付けました。
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パラダイスペーパーのほぼ半分は「アップルビー」の顧客の情報で、これまでに判明した顧客の企業や個人の数を国別に分けるとアメリカがもっとも多い3万1000余りで、次いでイギリスが1万4000余りで、日本は1056でした。

パラダイスペーパーについてICIJは「タックスヘイブンなど経済活動が不透明な国や地域の5分の1をカバーし、過去最大のリークの1つだ」としています。
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一方、パラダイスペーパーの最大の流出元となった「アップルビー」は「私たちは顧客のビジネスに合法的に助言をする法律事務所であり、違法行為を認めていない。規制当局の検査に従い、不正行為があったという証拠は何もない。ICIJが違法な手段で資料を入手し情報をさらすことに失望している」などとする声明を出しています。

国際調査報道プロジェクト

今回の国際的な調査報道プロジェクトには世界67か国、96の報道機関に所属する記者など382人が参加しました。
「パラダイスペーパー」を入手した南ドイツ新聞のほか、アメリカのニューヨークタイムズ、イギリスのガーディアンやBBC、フランスのル・モンドなどの大手メディアも参加しました。

日本ではNHK、朝日新聞、共同通信が去年12月から日本に関する資料の分析や関係者への取材を連携して行いました。プロジェクトのメンバーは自分の国で得られた情報を高度に暗号化した連絡手段を使って共有しながら世界一斉での報道に向けた取材を進めてきました。

カナダ 首相顧問が資金運用

ICIJは「パラダイスペーパー」の分析によって120人を超える世界各国の首脳や指導者、その関係者とタックスヘイブンとのつながりが判明したとしています。

カナダの分析ではトルドー首相の顧問で親友でもあるスティーブン・ブロンフマン氏が与党の重鎮だった元上院議員らとともにケイマン諸島で資金を運用していたことがわかりました。資金は一時、数千万ドル、日本円で数十億円規模にのぼっていました。

ICIJはブロンフマン氏が税金がかからない融資の形に装って、資金を移してカナダでの課税を逃れた可能性があると指摘しています。
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若くクリーンなイメージで国民的人気の高いトルドー首相はタックスヘイブンを使った税逃れを厳しく規制する方針を打ち出しています。

ブロンフマン氏や元上院議員の弁護士は取材に対し、「税逃れのためではなく合法的なものだ」と答えています。

エリザベス女王も投資

エリザベス女王も投資
イギリスでの分析ではエリザベス女王が2005年に「王族公領」と呼ばれる個人資産から750万ドル、現在の日本円で8億5000万円余りをケイマン諸島のファンドに投資し、3年後に36万ドル、およそ4000万円の配当を受けたことがわかりました。
このファンドは高い金利で家財道具を消費者に売りつけているとしてイギリス議会や市民団体から批判されたことのある企業にも出資していました。
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女王の広報担当者はケイマン諸島への投資を認めたうえで、「ファンドが問題のある企業に出資しているとは知らなかった。女王は受け取った収入に対し自主的に税金を支払っている。この投資の計画は税務戦略というよりもコンサルタントの助言などに基づくものだ」と説明しています。
このほか、国連総会の議長を3年前に務めたウガンダのサム・クテサ外相はセーシェルに個人資産を運用する法人を作っていました。クテサ外相は取材に対し、「脱税ではなく合法的な租税回避ができると考えたが、実用的ではなかったため、結局、利用することなく、数年前、法人を閉鎖するよう法律事務所に指示した」とコメントしています。

さらに、NATO軍の元最高司令官で、2004年のアメリカ大統領選挙で一時期、民主党の候補と目されたウェズリー・クラーク氏がタックスヘイブンに設けられたオンラインギャンブル会社の取締役だったこともわかりました。クラーク氏はICIJの取材に回答していません。

F1レーサーも税免れる

F1界のスーパースターのイギリス人のレーサールイス・ハミルトン氏はイギリス王室の属領、マン島の会社を通じてジェット機を所有していますが、リース事業にすることで消費税を免れる制度を悪用していた疑惑をイギリスの有力紙ガーディアンやBBCが報じました。

ハミルトン氏は「弁護士に確認したところ違法性はないものだと返答があった」とコメントしています。

鳩山元総理の名前も

ICIJはパラダイスペーパーの分析で、連携する報道機関とともに各国の首脳や政治家とタックスヘイブンのつながりを重点的に調べました。

日本では現職のすべての国会議員と過去数年間の国会議員関係者などを対象にNHK、朝日新聞、共同通信が分担して調査しました。

その結果、鳩山由紀夫元総理大臣など3人の元国会議員の名前が文書の中に見つかりました。現職の国会議員は確認されませんでした。
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このうち鳩山元総理大臣は政界引退後の2013年に香港の上場企業で、石油・ガス事業を行っている「ホイフーエナジーグループ」の名誉会長に就任していたことがパラダイスペーパーに含まれていたこの会社の年次報告書でわかりました。この会社の活動拠点は香港ですが登記上の所在地はバミューダになっていました。
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取材に対し鳩山元総理大臣は「この会社の総帥と政界引退後に知人の紹介で知り合いました。『日中友好のためにお互い努力しよう』という会話をした記憶があります。その知人を介して名誉会長への就任を依頼され引き受けました。
ただ、経営や事業には一切関わっておりませんし、特段の役割もなく同社の会議などへの出席要請もありません。報酬は顧問料として個人で受け取っており、適正に税務申告しています。バミューダへの法人登記は今回の取材で初めて知りました」と書面で回答しました。
また鳩山内閣で総務副大臣を務めた旧民主党の内藤正光 元参議院議員が議員2期目だった11年前、ケイマン諸島の投資ファンドに10万ユーロ、当時の為替でおよそ1500万円を投資していたことを示す送金記録もありました。
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内藤元議員は取材に対し「国会議員は将来が不安な中、知人から海外の投資商品は日本より腕の立つ人が運用していると紹介されたので個人の資金で投資した。タックスヘイブンで運用されていることは知らなかったが、税務上の問題も生じていない」と説明しています。

内藤元議員は在職中に行った資産報告にこの投資を記載しておらず、取材に対して「失念していた。申し訳ない」と話しています。

このほか旧みんなの党の山田太郎 元参議院議員が議員になる前、経営していたIT企業で、買収したケイマン諸島の法人に関する書類も含まれていました。
山田元議員は「中国でシステム開発会社を買ったら、たまたまケイマンの会社だった」と話しています。IT企業は当時、この法人を買収したことを公表していました。

1000超の日本企業・個人の資料

パラダイスペーパーに資料があった日本の企業や個人の数はこれまでに判明した分だけでも1000を超えます。企業の大半は日本を代表する大企業で、個人の多くはその社員と見られます。

取材に応じた各企業はいずれもタックスヘイブンは子会社が簡単に設立できて規制もゆるやかなため、海外での事業展開で利用しやすいなどと説明しています。

このうち総合商社の「丸紅」は、大手機械メーカー「IHI」が行っていた航空機のエンジンを開発するプロジェクトに投資するためケイマン諸島に2つの法人を設立していました。この法人を通じて2010年までの4年間にIHIに対して7000万ドル余りの支払いをしていました。

丸紅はケイマン諸島の法人を使った理由について「設立や登記の手続きが簡易であることと、航空機業界で一般的に使われるアメリカドルでの決済がしやすいため」と説明しています。

また、総合商社の「住友商事」は9年前にUAE=アラブ首長国連邦で参画した火力発電や海水の淡水化事業にケイマン諸島の4つの法人を利用していました。この事業で得られた配当は少なくともおよそ24億円にのぼっています。

住友商事は「UAEの投資会社から事業の権益を取得する際にすでにあった仕組みを引き継いだため、ケイマン諸島の法人を利用することになった」と説明しています。

通信大手の「ソフトバンクグループ」は、4年前、投資ファンドを管理する事業組合をケイマン諸島に設立していて、その際の委任状には孫正義社長の名前も記載されていました。
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ソフトバンクグループはケイマン諸島を使う理由について「一般的にファンドにはさまざまな国の投資家から資金が集まってくる。投資家が母国で納税することに加え、ファンド自体が高い課税にさらされると不要な二重課税を受けて投資リターンが下がってしまうので、ケイマン諸島やバージン諸島に籍を置いている」と回答しています。
損害保険会社の「三井住友海上」は20年前に大西洋のバミューダ諸島に保険会社自身がリスクを分散するために入る再保険会社を設立しました。三井住友海上は「バミューダ諸島は再保険の市場では先端の地域で、業務の拡大とノウハウを吸収するため金融庁の承認も得て設立した」と説明しています。

「日本郵船」と「大阪ガス」は共同出資してLNG=液化天然ガスを運ぶタンカーに投資する法人をケイマン諸島に設立していました。日本郵船は「タンカーの運航では船員を機動的に配置することが重要だが、日本で法人を設立すると人件費の高い日本人を一定数、配置しなければならない。船籍を海外に置く仕組みを使えば、利便性が高くなる」と説明しています。

取材に応じた各社はいずれもパラダイスペーパーに関係資料が含まれていた海外の法人などの存在を公表しており、税務上の扱いについては「日本の税務当局にタックスヘイブン対策税制に基づいて適正に税務申告しており、節税の効果はない」としています。

海外に眠る資産の存在も…

パラダイスペーパーにはタックスヘイブンに眠る隠れた個人資産の存在をうかがわせる資料もありました。
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東京の創業100年を超える金属製品販売会社の9年前に亡くなった会長が大西洋のバミューダに設立した法人の名義で債券の売買をしていたことを示す運用報告書が見つかりました。この報告書では3年前の時点で債券の残高は日本円でおよそ2億円にのぼっています。しかし、会長の息子で会社を引き継いだ現在の社長によりますと、生前、父親はこの資産運用を家族にも伝えていなかったということです。
社長は父親が亡くなった後に突然、運用を担当していたバミューダの法律事務所から手数料の支払いの催促が来たため、不審に思って法人に関する権利を放棄したということです。多額の残高があったことも今回取材を受けるまで知らなかったということで、社長は、「権利を放棄してしまったので、今後どのように対応すればよいのかわからない」と話しています。
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パラダイスペーパーには首都圏でおよそ30店舗のドラッグストアを展開する会社の創業者がイギリス領のジャージー島に保有している財産を長男に相続させるという内容の19年前に作成された遺言書も含まれていました。

会社の説明によりますと、創業者は去年亡くなり、後を継いだ長男はすでに相続に関する税務申告をすませたということですが、遺言書やジャージー島にあるとされた財産の存在は把握していなかったということです。

節税の金融商品 問題企業の資料も

パラダイスペーパーには2000年ごろに外資系の証券会社が日本の富裕層向けに節税対策として売り出した金融商品の購入者リストも含まれていました。

この金融商品はアメリカ・デラウェア州で中古住宅の賃貸事業に出資するもので、住宅価値の目減り分など事業の赤字を本業などで得た所得から差し引くことで節税できるとうたわれていました。しかし国税当局はこの金融商品による節税を認めず、一部の資産家が裁判を起こしました。裁判は2年前に最高裁判所で節税を認めない判決が確定しています。この金融商品の購入者リストには企業経営者や著名な漫画家などの名前が記載されていました。

パラダイスペーパーには社会問題化した企業などに関係する資料も含まれていました。かつて高い金利や厳しい取り立てが社会問題化し、8年前に経営破綻した商工ローン大手「SFCG」の破産手続きに関してケイマン諸島で裁判が行われていたことを示す記録がありました。

SFCGの大島健伸 元会長側と破産管財人の日本の弁護士との間でイギリス領のジャージー島に残っていた資産の帰属をめぐって争われ、法廷でのやり取りが詳しく記されていました。破産管財人によりますと、その後、和解し、大島元社長側から5億7000万円が破産財団に支払われたということです。

租税回避地の現状と対策

租税回避地=タックスヘイブンは税率が低く、経済活動に関する情報が公開されにくい国や地域を指し、「オフショア」とも呼ばれます。

世界各地で事業を展開するグローバル企業にとって法人を設立しやすいなど利便性が高い一方で、脱税やマネーロンダリングなど犯罪の温床とも指摘されています。

OECD=経済協力開発機構は8年前、42の国と地域をタックスヘイブンに挙げていました。その後、タックスヘイブンと名指しされる国や地域は減ってきていますが、スターバックスやアップルなどが各国の税制の違いによる「抜け穴」を利用して巨額の税金を免れていたことも相次いで明らかになりました。
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ことしイギリスのNGOなどが国連大学に示した報告書では、こうした租税回避によって世界全体で失われている税収が年間58兆円余りにのぼるとされていて、国別では日本は5兆円余りと、アメリカ、中国に次いで多いとされています。
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日本はタックスヘイブン対策税制として日本の企業や個人が税率の低い国や地域に事業実態の乏しい法人を設立している場合、その法人の所得を日本国内の所得と合算して税務申告するよう義務づけています。

去年6月までの1年間で海外のおよそ4200法人の所得が申告されましたが、パナマ文書の報道などによって国際的にタックスヘイブンに対する批判が高まる中、対象をさらに広げることが検討されています。

また、来年9月までに日本を含む100以上の国と地域の間で、互いに銀行口座の残高などの情報を交換する新たな制度が導入される予定で、各国の税務当局による情報収集が進むことが期待されています。