医学・生理学賞

意外?!身の回りにも受賞研究

ノーベル医学・生理学賞の受賞対象となった研究の中には、私たちの生活に身近だったり、教科書でおなじみだったりするものも多くあります。たとえば、健康の維持に欠かせないビタミンの発見は何度もノーベル医学・生理学賞を受賞した研究です。

ビタミンの発見

1929年には神経が冒される病気、脚気(かっけ)を防ぐビタミンB1などの発見につながったとして、オランダとイギリスの研究者が受賞、1937年にはビタミンCを発見したハンガリーの研究者、1943年には、出血を防ぎ、骨ができるのをうながすビタミンKを発見したデンマークの研究者がそれぞれ受賞しています。

血液型の発見

さらに身近なところでは、血液型の発見もノーベル医学・生理学賞を受賞した研究です。いまでは自分の血液型を知っているのは当たり前ですが、20世紀の初頭までは血液に型があるという概念は存在しておらず、型が合わない血液を輸血されて死亡するケースも多くありました。血液型を1900年に発見したオーストリアの研究者は、1930年にノーベル医学生理学賞を受賞しています。

このほか、世界で初めての抗生物質で、細菌への感染による病気から多くの人の命を救ったペニシリンの発見は1945年に、教科書でおなじみのDNAが二重のらせん状になっているという構造を明らかにした研究も1962年に受賞しています。

ネットワーク報道部(元科学文化部)

出口 拓実(でぐち たくみ)

平成22年入局。大津放送局でびわ湖の環境問題などの研究分野を取材、科学文化部で医療担当。
これまで感染症や小児・新生児治療、生殖医療などを取材。医療分野での応用が期待されるAI=人工知能などの取材も。現在は新型コロナウイルスの取材を担当。