医学・生理学賞

医学・生理学とノーベルの遺志

医学は、人体の構造や機能についての知識をもとに病気の診断や治療、予防について研究する学問で、生理学は、細胞や遺伝子などを詳しく調べて体の中の細胞や器官がどう動いているのかなどを解明することを目指しています。

2つの学問は密接につながっていて、ダイナマイトを発明し、巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベルがノーベル賞の構想を記した遺言には、物理学賞、化学賞と並んで「医学・生理学賞」を設けると書かれていました。

ノーベルはこの分野の研究に強い関心があり、火薬開発のためにフランスのパリ近郊に設けていた研究所で、スウェーデン人の生理学者が輸血についての実験を行ったこともあります。晩年には医学的な課題を解決することに自身が貢献しなかったことを後悔していたということです。

科学文化部

池端 玲佳(いけはた れいか)

平成22年入局。2局目の金沢放送局で、発達障害の子どもをめぐる研究を取材して医療に興味を持つ。
平成28年から科学文化部で、生殖医療や周産期医療を中心に取材。
大隅良典さんがノーベル医学・生理学賞を受賞した際にはスウェーデン・ストックホルムで授賞式などを取材。