平和賞

2019年ノーベル平和賞 アビー首相報道官「アフリカの平和にも貢献」

隣国との和平を成し遂げた功績が評価され、2019年のノーベル平和賞に選ばれたアフリカ東部エチオピアのアビー首相の報道官がNHKのインタビューに応じ、「紛争や緊張が絶えない地域で平和を推し進めてきた努力が国際的に評価された」と述べ、今後も、アフリカの平和に貢献したいと強調しました。

ノルウェーのオスロにある選考委員会は11日、2019年のノーベル平和賞に、長年対立してきた隣国エリトリアとの和平を成し遂げたエチオピアのアビー首相を選びました。

発表から一夜明けた12日、アビー首相の側近で、報道官を務めるビレン氏が、首都アディスアベバの首相官邸でNHKのインタビューに応じ、「アフリカの中でも特に紛争や緊張が多いこの地域で、平和を推し進めてきた努力が国際的に評価された」と述べたうえで、「この努力をほかの地域でも展開したい」として、今後もアフリカの平和の実現に尽くしていく考えを強調しました。

また、ビレン氏は、「アビー首相は、国内でも、過去の対立を乗り越え、和解する取り組みを進めてきた」と述べ、2018年4月の就任以来、野党勢力との対話に乗り出すなど、国内で政治改革を進めてきたことも合わせて評価されたとの認識を示しました。

エチオピアでは、2020年、総選挙が予定されていますが、過去の選挙では野党への弾圧があったなどと批判されていて、自由で公正な選挙を実施できるか、アビー首相の政治改革の真価が問われることになります。

米国務長官が祝福の声明

2019年のノーベル平和賞にアフリカ東部エチオピアのアビー首相が選ばれたことについて、アメリカのポンペイオ国務長官は12日、声明を出し、「アフリカ大陸で平和を目指し、エリトリアとの対立を終わらせるというアビー首相の献身は勇気や強さ、それに指導力を示すものだ。アメリカはこの重要な機会をエチオピア国民、アフリカ大陸全体とともに祝福する」と述べました。

そして「アビー首相がアフリカで民主主義や平和を強化するため努力してきたことは、世界の将来の指導者にとってそれぞれの地域に前向きな変化をもたらす刺激になる」とし、今回のノーベル平和賞が世界各地での民主主義や平和の推進につながることに期待を示しました。