平和賞

ことしも話題に アメリカ トランプ大統領

ここ数年、ノーベル平和賞で話題にのぼるのがアメリカのトランプ大統領(74)です。

アメリカのホワイトハウスは、ことし9月、長年対立していた中東のイスラエルとUAE=アラブ首長国連邦の国交正常化を仲介した功績が認められたとして、トランプ大統領がノーベル平和賞の候補に推薦されたと発表しました。

トランプ大統領は、同じ中東のバーレーンとイスラエルとの国交正常化の合意にもこぎつけています。

ただ、ことしの推薦には間に合わず、来年、2021年の推薦だということです。

ロイター通信などは、推薦したのはノルウェーの右派政党に所属する議員、ティブリンイエッダ氏だと伝えています。

ティブリンイエッダ氏は、これまでにも北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長との史上初の米朝首脳会談を受けて、朝鮮戦争の終結や非核化に取り組んでいることなどを理由にトランプ大統領を推薦しています。

また、トランプ大統領は、去年(2019)にはみずから「安倍総理大臣からノーベル平和賞に推薦された」と暴露しましたが、安倍前総理大臣は、実際に推薦したかどうか明らかにしていません。

トランプ大統領は、以前から、ノーベル平和賞に強い意欲を示していますが、オバマ政権時代に結ばれたイラン核合意を一方的に破棄し、イランとの間で緊張状態が続いていることや、ロシアとのINF=中距離核ミサイルの全廃条約の破棄は、大国間の軍拡競争を助長するものだと批判を浴びていることなどから、受賞の可能性が高いとはいえない状況です。

ワシントン支局

辻󠄀 浩平(つじ こうへい)

鳥取局、エルサレム支局、盛岡局、政治部、オックスフォード大学客員研究員を経て現在ワシントン支局でホワイトハウスを担当。