文学賞

なぜ去年は受賞者の発表がなかったの?

『セクハラ問題』が発覚したから

セクハラや性暴力を告発する「#MeToo」の動きが世界中に広がるなか、おととし11月、アカデミーの会員の夫で文学界にも強い影響力を持つとされる男性が、複数の女性にセクハラや性的暴行を行っていたことをスウェーデンの新聞が報じました。

さらには、その妻のアカデミー会員が受賞者の名前を夫に漏らしていたことなども指摘され、スキャンダルは日に日に拡大していきました。

アカデミーでは、複数の会員が抗議のために辞任を表明したり、騒動の責任を取るとして事務局長も職を退いたりしたんです。

文学賞の選考を行うアカデミーの内部は大混乱。

そして、ついに去年5月、この年の受賞者の発表を見送ることが発表されたんです。

その影響を受けて今回は、去年とことしの2年分の受賞者が同時に発表されることになっています。

ことしは、受賞のチャンスが2倍ね。

科学文化部

河合 哲朗(かわい てつろう)

平成22年入局。前橋局・千葉局を経て、平成27年から科学文化部で文化取材を担当。文芸・文学史のほか、音楽や映画などのポップカルチャー、囲碁・将棋まで幅広く取材中。