出来たらノーベル賞?! 真水を増やす
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海水はあるけど、真水が足りていません
![秋山 度](/news/special/nobelprize/2023/chemistry/images/reporter_03.png)
秋山記者
地球は水の惑星と呼ばれています。地球の表面の3分の2は水で覆われています。しかし、そのほとんどは海水です。
人が生きていくのに欠かせない水。
作物を育てるのに欠かせない水。
このときの水はほとんどが淡水、つまり真水のことを指しています。
では地球上の水の中で淡水の割合はどれぐらいでしょうか。
実はおよそ2.5%とされています。
しかも、その大部分は南極・北極の氷や地下水で、実際に人が利用できるのは0.01%に過ぎないと言われているのです。
今も人口増加に伴って世界では20億人以上の人たちが安全に飲める水が確保できていないとされています。
水の惑星、地球は、実は淡水不足の惑星になりつつある
![秋山 度](/news/special/nobelprize/2023/chemistry/images/reporter_03.png)
秋山記者
こうした中、注目されているのが、海水から人工的に淡水を作り出す、淡水化技術です。
これまでも淡水化の技術はありました。
▼海水を蒸発させて、蒸留するように真水を取り出す方法や
▼「逆浸透膜」という特殊な膜を使って海水から真水だけ取り出す方法などです。
この特殊な膜を使う方法は日本も世界的に高い技術を誇っています。
しかし、現在のところ、いずれの方法も時間がかかったり、コストがかかったり、世界の淡水不足を解消するには至っていません。
もし、例えばポンと入れるだけで海水が淡水になる薬品を発明できたり、飲み水をろ過するように大量の海水を効率よく淡水に変えることができるようなろ材を開発できたりすれば、ノーベル賞クラスの成果だと考えられています。
![秋山 度](/news/special/nobelprize/2023/chemistry/images/reporter_03.png)
科学文化部
秋山 度(あきやま たく)
2012年入局。福井局・水戸局を経て2019年から科学文化部。