ノーベル物理学賞 名だたる受賞者たち

ノーベル物理学賞は「物理学の分野で最も重要な発見または発明をした人」に贈られるものです。アインシュタイン、キュリー夫人…。これまでのノーベル物理学賞の受賞者には、世界の名だたる研究者たちが名前を連ねています。

レントゲンも アインシュタインも キュリー夫人も

1901年の第1回のノーベル物理学賞受賞者はヴィルヘルム・レントゲン。「X線(エックス線)」を発見した功績です。今も医療の現場で、体の内部を調べる際には、エックス線を使った“レントゲン撮影”が欠かせませんが、レントゲンはノーベル物理学賞の最初の受賞者だったんです。

また、20世紀最大の物理学の発見の1つとされる「相対性理論」で知られる、アルベルト・アインシュタインは、「光電効果の法則の発見」という業績で、1921年に25人目の受賞者となっています。

このほか、女性初の受賞者は「キュリー夫人」として日本でも知られるマリー・キュリーで、放射能に関する研究で1903年に物理学賞を受賞したあと、1911年には化学賞も受賞しています。

しかしその後、女性が物理学賞を受賞することはほとんどなく、2018年、カナダの研究者が55年ぶりとなる3人目の受賞を果たして世界的な注目を集めました。

日本人受賞者はこれまでに12人

日本人として初めてノーベル賞を受賞したのは湯川秀樹博士で、1949年のことです。

原子核を構成する陽子と中性子を結びつける働きをする「中間子」という粒子の存在を予測しました。

湯川博士を含め、ノーベル物理学賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得した人も含めて、これまでに12人です。

特に、物質を構成する最も小さな粒子について研究した「素粒子物理学」の理論や実験で受賞者が相次いでいます。

(以下、敬称略)

▽湯川秀樹(1949年)「核力における中間子の存在を予測」
▽朝永振一郎(1965年)「量子電気力学の研究」
▽江崎玲於奈(1973年)「半導体におけるトンネル効果の発見」
▽小柴昌俊(2002年)「宇宙ニュートリノの検出」
▽南部陽一郎(2008年)「素粒子における自発的対称性の破れ」
▽小林誠(2008年)「クオークにおけるCP対称性の破れ」
▽益川敏英(2008年)「クオークにおけるCP対称性の破れ」
▽赤崎勇(2014年)「青色発光ダイオードの発明」
▽天野浩(2014年)「青色発光ダイオードの発明」
▽中村修二(2014年)「青色発光ダイオードの発明」
▽梶田隆章(2015年)「ニュートリノ振動の発見」
▽真鍋淑郎(2021年)「二酸化炭素の温暖化影響を予測」

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